天国とか地獄とか宗教によって違うじゃん?
そーゆー宗教学?を大学でやってる姉ちゃんいてさ、
なんか教えてもらったんやけど、
キリスト教を信じないならキリスト教の地獄へ、
仏教を信じないな仏教の地獄へ、
イスラム教を信じないならイスラム教の地獄へ、
って。
信じる者は救われるの逆は、
信じない者は救われない、らしいよ。
それ聞いて俺さ、思ってん。
めっちゃ都合良い宗教作れば良くね?って
なんか全部の宗教に繋がってて、
来るもの拒まず去るもの追わず、みたいな?
やっぱ人間には縋る物があった方がいいと思うん。
え、何?なんの漫画読んだんだって?
いやいや、俺真面目。超真面目。
日頃の行いってさすがにひどいだろ!
ちょっ待って待ってって!
一旦話し合おうよ!
俺、お前とならどこでも天国だと思ったから
打ち明けたんだ!
お前は、そう思ってない?
新月は、
地球で唯一月が太陽に照らされない日。
さながら月の有給日。
そりゃ、月だって休みたいよな。
まあ太陽はほぼ毎日仕事だけど。
あ〜土日出勤無理〜〜〜〜
あの頃の不安だった私へ。
高校合格すれば不安無くなるっておもってたよね
誰かの言う通りにすれば良いって思ったよね
そんなことないよ
今でも不安は止まらなくて
病院で安定剤貰っちゃった
安定剤えぐいよ
切れた時凄いけど
結局不安からは逃げれないんだからさ
安定剤にたどり着くまで頑張れよ、みたいな。
私ももうちょっとだけ勉強してから寝ようかな
おやすみ、良い夢を!
なーんちゃって!
応援することなんてないよ馬鹿め!
私が今ここに居て、これを書いてる。
それがあなたが頑張った証拠じゃん?
私が生き証人だから、
他の人から認められなくたって
未来のあなたがあなたを肯定してあげる。
その代わり生きてもらう、みたいな?
win-winの関係っしょ?
だから、とりま人間関係とか置いとこ?
私が居る 大丈夫だから
一旦全部忘れたっていいじゃん。
あなたが忘れたことは私が覚えてる
私が忘れたことはあなたが覚えてる
これも50/50みたいな?
まあまあ、とりあえず寝ましょ
睡眠不足はお肌と脳死の敵なんだから!!
昨日へさよならしようぜ。
ってあいつが言ってきた。
昨日はあの子の...私達の幼馴染の命日だ。
今年でもう3年になる。
一緒に入ろうな、って言ってた高校で、
私達は今日もあの子の影を追いかける。
あの子の家族は引っ越してしまって家はないし、
手元にはふざけて3人で撮ったプリくらいしかない。
「もっと遊べばよかった。話せばよかった。」
なんて、何回も考えた。
でも、もうそれは遠い遠い昨日になってしまった。
それに、
「もう忘れてしまってもいいんじゃないか」
って思ってしまう自分が嫌になる。
何が忘れる、だ。
3人の思い出はそんなすぐ捨てられるものじゃない!
そう思って、もう3年。
もう進路を決めなくてはいけない。
そんな時に、あいつは提案してきた。
「昨日へさよなら?」
「おう」
昨日へのさよなら、とは。
聞けば、一種のおまじないらしい。
透明な水と願い事を書いた紙。
それと大切な思い出を川へ流す。
「不法投棄にならない?」
「なに、神様もこんくらいは許してくれるだろ」
あいつをつれってたんだから。
そんな言葉が聞こえた気がした。
「俺はやるよ。先に進むためにも、このままじゃきっとだめだ。あいつには悪いけど、きっとお互いのためにならないと思う。死んだ人の声なんてわかんないけど、ずっと引きずられたってあいつも落ち着いて寝れないだろ?」
なんて言われた。
ずるいよね。
そんなこと言われて、見捨てる奴がいるか。
幼馴染なめんな。
私達は裏山へと向かい、手順をなぞった。
「お互い、進めるといいな。」
「かっこよく言ってるけど、あんた留年の危機じゃ無かった?」
「今言うなよ...!あいつに聞こえるだろ!?」
「案外笑ってるかも」
「...そうだといいな」
山を降りる視界の端、
あの子の長い髪が見えた気がした。
用意するのは透明な水と願い事を書いた紙。
その紙を水で濡らして食むと願いが叶う。
「久しぶりに活動すると思ったらその噂について?」
「まぁ部長らしくて良いと思うっす!」
私達3人はオカルト研究会、通称オカ研だ。
そう言っても部活としては認められていないのだが。
部長の私とクラスメイトの涼香、後輩の満で
一応、3ヶ月に1回くらいは活動している。
「最近流行りの噂よね、それ」
涼香はどうやら聞いた事があるらしい。
「そう!それでこの噂、透明な水の謎を解明してくれ〜って頼まれたんだよ」
「誰に?」
「ほら、吹部のかほちゃん」
かほちゃんは、吹奏楽部の部員で情報通の子。
私のそういう噂の7割はかほちゃんから来る。
「そのかほちゃん?はこの噂に関わってるんすか?」
「かほちゃんの友達が実際に試したみたい」
「試しちゃったんすか…」
「怪しいと思わなかったの?その子」
「新入生らしくて、まあしかたないのかも」
この妙竹林高校は、そんなのが多い。
そんなのと言うのはいわずもがな、
心霊現象、すなわちオカルトである。
1年で必ず学年関係なく7人が居なくなるこの高校。
話を聞く限り、誰も入学しようと思わないだろう。
そのため、この妙竹林高校。
名前を書くだけで入学できる(事実)高校である。
心霊現象が多発した結果、倍率がすこぶる下がり、
このありさま。
まぁ、涼香のようにその道の名家もいる、らしい。
編入も可能で、これまた試験は無いため、
何も知らないおつむの悪い若者が7人。
悲しいことに揃ってしまうのである。
「それで、その子をどうすればいいの?」
話がそれたが、本題はそれである。
かほちゃんが言うには、
いつもの7人からどうにか外して欲しいらしいが…
「無理ね。」
「無理っすね。」
「で、ですよね…」
はっきりいって無理だ。
そもそも何かの幸運で今年を逃れたとしても、
1度足を踏み入れてたなら、また引きずり込まれる。
それが、オカルトというものなのだ。
……少なくともここにおいては、だが。
「まあまあ。そしてこれがそれに使ったっていう透明な水でございまーす」
私がペットボトルを取り出して机に置くと、
「わたくしのほうにそれを寄せないで頂戴。」
と涼香が部室を出ていってしまった。
「涼香さん、行っちゃったっすね…」
満はどう思う、と聞いてみると、
「えーと、部長さん」
「はい」
「一般的に、おまじない、つまり呪術系に使ったものには色々と厄介な思いが着いちゃうんすよ」
「もしかして…」
「うん、すごいです、それ」
燃やせー!!!!と、2人で近くのお寺に駆け込む。
幸い、知り合いの住職さんがすぐに燃やしてくれた。
良かった…のか?
まあかほちゃんが何も言わないってことは大丈夫なんだろう。おわりおわり。