葦田香亜流沙/あしたがあるさ

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3/29/2026, 8:48:59 AM

見つめられると3/29

 文化祭の、軽音部のライブ。
 次は、私のソロだ。
 親、おばあちゃん、知らない人。
 そんなに見つめないで。
 見つめられると、とっても緊張しちゃうから。


 ふと、片思いしている先輩を見つける。
 彼もこっちを見ていたのだろうか。
 ビビっと目が合う。
 目を逸らせない。
 そんなに見つめないで。
 見つめられると、胸がどきっとしちゃうから。

3/27/2026, 4:16:55 AM

ないものねだり3/27

「はあー」
 大きくため息を吐く。すると、ふと肩の力が抜ける。
 どこにでもいるサラリーマンの僕には何も無い。
 名誉も富も信頼も、友も家族も恋人も。
 金も美貌も才能も。
 そんなことを考えている時ほど、電車に貼ってあるポスターに目がいく。
 いっそ、俳優になれたらなぁ。


「はあー」
 大きくため息を吐く。すると、ふと背中が丸まる。
 どこにでもいる地下アイドルの私には何も無い。
 お金も自由も趣味も、友も家族も恋人も。
 プライベートとくつろぎも。
 そんな時ほど、スマホの端の求人に目がいく。
 いっそ、サラリーマンになれたらなぁ。

3/23/2026, 6:48:29 AM

バカみたい3/23

みんなに合わせて笑ってバカみたい。

周りの目を気にしててバカみたい。

自分の好きを閉じ込めてバカみたい。

人を信じられなくてバカみたい。

一人で抱えて潰れてバカみたい。

3/22/2026, 4:05:54 AM

二人ぼっち3/22

 私は、こんなのおかしいと思う。
 私のクラスの担任の先生は、最悪な先生だ。
 なぜなら、とても厳しくて、昨日なんて、授業中に喋っていただけの男子を、泣くまで叱って、それに加え、
「高学年なら泣き止みなさい。切り替え!」
と怒鳴って立ち去った。

 私は、許せなかった。
 なのに、男子は叱られるのが怖くて反論しないし、女子だって、権力のそばに居たいのか、それとも、男子に酷い目にあって欲しいのか、先生と楽しそうに会話している。
 でも、一人ぼっちで反論したって勝ち目などない。でも、私は協力者を見つけた。
 その名も柳田蓮だ。
 そいつが、先生の背中をぐっと睨め付けるのを見て、こいつなら協力してくれる、そう確信した。

 これで、ようやく私は二人ぼっちになれた。
 一人も二人も、あの先生の前では無力にすぎないのに、蓮がずっと頼もしく見えて、なんだか悔しかった。

3/21/2026, 7:56:42 AM

夢が醒める前に3/21

 きっと夢だけど、醒めないで。


「今日の放課後、校舎裏に来てください」
下駄箱にこんな手紙が入っていた。
急いでひっくり返したり、封筒を覗き込んだりしてみたけれど、名前は見当たらない。
 この手紙が、横山先輩からだったらな、、、とふと思ってしまう。
 横山先輩には、半年前から恋をしている。
 そして、そんなことをぼーっと考えていると、前から歩いてきた先生とぶつかってしまった。
 「すみません!」
 と反射的に謝る。そしてふと床を見ると、ノートが散らばっていた。
 「あ、拾いますよ。」
 と言い、ノートを拾う。その中に、横山先輩のものもあった。
 私は固まった。手紙の、「今日」の文字と、ノートの「今日」の文字の筆跡が同じだったのだ。
 私の心臓は、ばくん!と高鳴った。

 それから放課後まではあっという間だった。
 そして、放課後になって、校舎裏に行くと、少し顔を赤らめた、横山先輩がいた。私も耳まで赤くなる。
 「ずっと、本田さんの優しいところが好きでした!付き合ってください!」
 夢ならば、醒めないでくれ。
 どうせ夢だろうけど、醒めないでくれ。

 「はい、喜んで」

 オーバーヒート寸前の心臓を抑えながら言う。
 そして、その後、一緒に帰る事になった。
 長い夢だった。でも、どうせそろそろ醒めてしまう。
 それが嫌で、引き留めたくて、手を繋いだ。
 夢とは思えないほどに、温かかった。
 もう満足だ。醒めてもいい。そう思って、ほおの内側を強く噛む。
 痛い。ちゃんと痛い。


 今まで、諦めかけていた嬉しさが、今一気に押し寄せてきた。

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