胸が高鳴る3/20
初めての事には、胸が高鳴るものだ。
遺伝子レベルでそう決まっている。
とくんとくんと脈打つ心臓が、今、跳ね上がるのを感じる。
今まで、飽きて、諦めて、捨ててきたものが幾つあっただろう。
それでも、初めての事には、年甲斐もなく、胸が高鳴ってしまう。
不条理 3/19
こんな世の中、きっと何か間違っている。
人でいっぱいの電車に揺られ、何も見たいものなどなく窓の外を見つめた。
毎日毎日、同じことの繰り返し。
やたらと頼ってくる上司に、ミスばっかりの後輩。
仕事ができるやつの方が苦労する世の中は何度思っても不条理の塊である。
この世界への、小さな怒りを込めて、エンターキーを強く叩いた。
この世界は不条理だ。
不条理を理不尽で、塗り固めたようだ。
それでも僕は歩き出す。
解けかかった靴紐と、
ずり下がった眼鏡と、
両手いっぱいに抱えても、
はみ出るほどの不条理と共に。
凍てつく星空12/2
夜に空を仰ぐと
これはこれは
美しい星が見える
手をぐっと伸ばせば
アルデバランにも
手がとどきそうだ
何光年も離れているのに
君の心も
あのアルデバランのように
届きそうで届かない
凍てつくよるの
凍てつくほしの
凍てつくこい
あの星の光のように
何年経ってもいい
君に想いが
届いたらいいな
時を繋ぐ糸11/27
俺は及川涼介。
俺はたまに、なにかに引き寄せられることがある。
糸みたいな何かに。
会社から、終電間近の電車で帰ってくる。
大きく伸びをする。大きくため息を吐く。
ツツツ ツーー。
何かに引き寄せられた。
引き寄せられた先には、1人暮らしを始める時、家から持ってきたきり、開けていない段ボール箱だった。
また何かに操られる。
段ボール箱を操られ開けると、本田シオリ氏の漫画と、小さい頃描いた、黒歴史同然の漫画だった。
もう、本田氏は死んじゃったけど。小さい頃好きだったなぁ。なんて、思ったりして。
また操られた。
渋々、黒歴史漫画をぱらりと捲る。
あれ、ちょっと面白い、、、
その時思い出した。
小さい頃の、漫画を描く時のわくわく。
中学生の頃の、揺れる夢。
大人になって、諦めた夢。
なんで今まで忘れていたんだろう。
その時、薄ぼんやりと見えた。
糸を両手に持ち、俺を操り人形のように操っている、本田シオリ氏を。
本田氏は、ニコッと笑って、
「夢は、諦めたもんじゃない。」
と言った。
「えー、ほんとですか、今の話。」
「本当ですよ。」
「あれが、漫画家を始めたきっかけです。」
「今回は、貴重なお話を、どうも、ありがとうございました。」
「さて‼︎これで、密着インタビュー。天才漫画家及川氏編終了です!さてお次のコーナーは、、、」
凍える朝11/2
やっと涼しくなってきたと思ったら、もう寒い。
秋のサボり魔が!! とキレ散らかす。
こんな寒い日は布団を被り直し、あと5分だけ、、、なんて言いながら、2度寝をしてもいいかもしれない。
冬はつとめて、なんて言うけれど、清少納言にクレームを入れたい。
冬はねぼけてに変えろって。