葦田香亜流沙/あしたがあるさ

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時を繋ぐ糸11/27

俺は及川涼介。
俺はたまに、なにかに引き寄せられることがある。
糸みたいな何かに。
会社から、終電間近の電車で帰ってくる。
大きく伸びをする。大きくため息を吐く。


ツツツ   ツーー。


何かに引き寄せられた。

引き寄せられた先には、1人暮らしを始める時、家から持ってきたきり、開けていない段ボール箱だった。

また何かに操られる。
段ボール箱を操られ開けると、本田シオリ氏の漫画と、小さい頃描いた、黒歴史同然の漫画だった。
もう、本田氏は死んじゃったけど。小さい頃好きだったなぁ。なんて、思ったりして。

また操られた。
渋々、黒歴史漫画をぱらりと捲る。

あれ、ちょっと面白い、、、
その時思い出した。
小さい頃の、漫画を描く時のわくわく。
中学生の頃の、揺れる夢。
大人になって、諦めた夢。

なんで今まで忘れていたんだろう。




その時、薄ぼんやりと見えた。
糸を両手に持ち、俺を操り人形のように操っている、本田シオリ氏を。
本田氏は、ニコッと笑って、
「夢は、諦めたもんじゃない。」
と言った。






「えー、ほんとですか、今の話。」

「本当ですよ。」

「あれが、漫画家を始めたきっかけです。」

「今回は、貴重なお話を、どうも、ありがとうございました。」

「さて‼︎これで、密着インタビュー。天才漫画家及川氏編終了です!さてお次のコーナーは、、、」

11/27/2025, 8:47:54 AM