「秋の訪れ」
その年の夏は異常に暑かったから
夏から秋への季節の移行
秋の訪れは本当に喜ばしい事であった
ラジオでかかる曲も
夏の終わりを思わせる曲
秋が始まる曲が多くなった
コーヒーの苦味や
栗やサツマイモの甘さ
食べ物の味がグッと美味しく感じる
空を見ても
細い雲が芸術作品のように
形を作っていたり
秋らしい雲は
美しいなと思う
秋はいい季節である
気温も涼しくなり
外を歩きたくなる
スポーツをするにも
いい時期だ
遠出して旅もしたくなる
遠くからの秋の便りに
私は秋を感じている
「旅は続く」
どんなに嫌な事があっても
どんなに生きるのが嫌になっても
人生と言う旅は続く
嫌な事が多く
嫌な言葉が氾濫していても
生きていく事実は変わらない
しかし、過去を振り返ってみると
自分にとって嫌な時期が
一番自分と向き合い
成長していたなと思う
今日も嫌だなあと思いながら
毎日起きているけど
今朝、窓を開けたら
朝日が差し込んできた
それでも朝日は昇る
新しい一日だ
その事実が私を励まし
今日を生きるのだった
「モノクロ」
私が人の目を気にして恋愛をしていた頃
人に気に入られる事を気にしていた頃
この世界はモノクロで
黒と白としかなかった
正解か否か
合ってるか合ってないか
気に入られるか気に入らないか
好きか嫌いか
外れてしまうと
嫌われてしまうと思った
その人が全てになり
世界は2極化した
モノクロの世界は息苦しかった
そんな私が色を取り戻しつつある
あの人の悪口を自由に言えるようになり
自由に泣けるようになって
いつの間にか笑えるようにもなっていた
この世が2極化していた頃の価値観は
結局は自分らしさを失う事になった
一人になり
自由に感情を安心して出せるようになって
私はやっと笑顔を取り戻した
長い雨の後に
雲の隙間から
太陽の光が地面を照らしてゆくように
「永遠なんて、ないけれど」
朝の澄んだ空気が
空に浮かぶ雲が秋らしい
頬をなでる風
木々の揺れる緑の葉
人は有限だ
しかし、外に出て
自然を見ていると
私は何故か永遠を思う
自然の儚い生命の中に
永遠の思いを見ている
「コーヒーが冷めないうちに」
私は朝のハンドドリップコーヒーを
とても楽しみにしている
コーヒーの苦味やコク、味そのものが好きなのだ
コーヒー豆をガリゴリミルで挽く
フィルターを用意し
挽いた豆をフィルターの中に入れると
コーヒーの良い香りが広がる
ポットからお湯を出し
コーヒーの入ったフィルターに注ぎ
30秒待つ
それから、お湯を丁寧に回すように注ぐ
フィルターからコーヒーがポトポトと
容器に落ちていく
コーヒーを好きな作家さんは多い
コーヒー愛と言うべきか
朝に小説を書く作家さんにとっては
朝のカフェインはガソリンの役割らしい
私の一日も淹れたてのコーヒーで始まる
朝のコーヒーは本当にホッとする
私の相棒みたいに
目覚めのコーヒーは美味しい