〔皆勤賞〕
貴方に会うためだけに学校に行く毎日。
本当はもう全部休んだって卒業できるし、
できるものなら家でずっと引きこもっていたい。
けど、
貴方に会いたい。
これが“愛”ってものなのかは私にはよくわからない。けれども、
毎日起きた瞬間も、
寝ようと目を閉じるその瞬間も、
貴方のことで頭はいっぱいになっているんだ。
一つの授業でしか会えないから、
ちょっとだけ可愛くとか見られたいなとか、
会話のきっかけないかな…とか、
実は考えてるのバレてるのかな?
隣の席を勝ち取った4月の私を褒め称えたい。
あと数回の授業の後、
私たちは1ヶ月くらい会えなくなる。
次会うのはテストが終わった後。
その時にまた、
貴方に会いにいきます。
『「君に会いたくて、ここまでこれたんだよ」ってずっと言いたかったんだ』って、
言える勇気を蓄えていこうと思う。
#君に会いたくて:8
〔おもい〕
私の記憶にあるのは悔しかったことだらけ。
思い出そうとすれば、楽しかったこともいっぱいあったはず、なのに…。
楽しかった練習の日々は何気ない日常で。
くだらない会話の数々をわざわざ覚えたりしない。
なんとなく決めてみた友だちとのあだ名も、今日あった面白い話も、1週間もすればもう過去の話だ。
けれど、
悔しい思い出は一つ一つが印象的で、
10年前のことでも鮮明に思い出すことができる。
記憶に残るのはそんなことばかり。
そっか。悔しさは“おもい”んだ。
頑張ったからこその重み。
想いが詰まりすぎちゃったんだ。
悔しさほど心の底に沈んでかたまってしまうけど、
楽しさがまわりを包み込んでくれるはず。
閉ざされた日記みたいに、
いつか存在を思い出せればいいかな。
#閉ざされた日記:7
〔風になりたい〕
木枯らしって私の受験みたいだな。
ふと帰り道に考えてみた。
9月に準備を始めて、
10月11月で試験があって、
12月にはすっかり終わってしまった。
毎日が慌ただしくて、
けど準備してるところは友だちに見せたくない。
視線がほんのちょっとまとわりついて、
疎まれているような気持ちになってしまうから。
8.3m/s
私に吹き付ける風は、
木枯らしの中ではまだまだ末っ子。
ちょっぴり冷たくて、
けどさっぱりとしている。
後ろ髪を引かれる心もあるけれど、
前を向けるように後押しもしてくれる。
春一番が吹くまで、
みんなを後押しできるような、
そんな風になりたいと強く願った。
満開の桜が咲き誇れますように…
#木枯らし:6
〔形而上〕
私の感じる[美しいもの]は常に目に見えない。
私の感じる“花”の美しさはその生命力。
私の感じる“人”の美しさは本気で楽しみ輝く姿。
私の感じる“空”の美しさは全てを包み込む暖かさ。
美しいものほど目には見えない。
醜いものほどこの目に見えてくる。
お互いの美しさに気づいていきたい。
#美しい:5
〔現実逃避〕
私はたまに現実世界が嫌になる。
空気は重く、上手く息が吸えない。
だから、小説に空想を求める。
違う世界の、知らない国の、そこで生きる人々の人生を感じる。
新しい価値観に出会う。
—声が聞こえる。心が動く。風が髪をなびかせる。音が聞こえる。視線が動く。誰かが私を見つめている。
その世界は自由で満ち溢れている。
狂気や理不尽を抱えながら人々がもがいている。
この世界は自由で満ち溢れている。
狂気や理不尽を抱えながら人々がもがいている。
この世界は空想で造られている。
この世界は………
#この世界は:4