詩(テーマ)
『香水』
パシャパシャ、パンパン
母の香水は、キツい匂いだった
初めて買った香水は
フルーツみたいな、甘い香り
初めてのデートの香水は
石鹸みたいな、匂いにした
マリリンモンローのシャネルの5番
私は少し、苦手な香り
香水を嗅ぐだけで思い出す
記憶の水先案内人
詩(お題)
『言葉はいらない、ただ・・・』
「言葉はいらない、ただ・・・」
君は何が言いたいのだろう
「言葉はいらない、ただ・・・」
僕はなんて言うべきだったのか
人生は言葉で綴られる
口に出す言葉が未来を決める
言葉はいらない
言葉は嘘をつき着飾りあざむく
言葉はいらない、ただ・・・
そばにいてほしい
ともに、生きたい!
詩(お題)
『突然の君の訪問』
突然の君の訪問
台風ならば、行ってくれ
ゴキブリならば、死んでくれ
宗教ならば、居留守する
ハチやアリなら、殺虫剤(ころし)屋だ
突然の君の訪問
スマホの電源、落とそうか
ドアホン鳴っても、知らぬ振り
お酒で寝れば、夢の中
会えばケンカに、なりそうで
突然の君の訪問
悲しいことって、突然さ
さよならはいつも、突然さ
鈍感だからか、突然さ
ジタバタしちゃうよ、逃げたいよ
詩(お題)
『雨に佇む』
悲しみの雨に佇む
濡れながら冷えながら
感じて語らう
たくさんの粒でさえ
私を簡単に
殺せない
しあわせの雨に佇む
穏やかで優しくて
天気雨みたいだ
いっぱいの粒でさえ
私の笑顔は
引き出せない
台風の雨に佇む
叩かれて飛ばされて
地獄を味わう
狂暴な自然さえ
足早(あしばや)逃げてく
負け犬だ
絶望の雨に佇む
見上げればキラキラと
宝石みたいだ
たくさんの愛でさえ
守れぬ世界に
死んでゆく
詩(お題)
『私の日記帳』
私の日記帳、燃やして欲しい
数日まえ頼まれた
「私が死んだら、約束してね」
だったら書くなよ!
そう言いかけて、うなずいた
読まれて困るもの、恥ずかしいもの
でも気持ちは残したい
あなたが生きてた、証拠だもんね
毒矢もハートも
託されたなら、ぜんぶ読む
えっ?
読んじゃうよね?
普通だよね?
違うの?
私は、読みたいっす!
「ごめん」