旅舟

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8/27/2024, 9:51:04 PM

詩(お題)
『雨に佇む』


悲しみの雨に佇む
濡れながら冷えながら
感じて語らう
たくさんの粒でさえ
私を簡単に
殺せない

しあわせの雨に佇む
穏やかで優しくて
天気雨みたいだ
いっぱいの粒でさえ
私の笑顔は
引き出せない

台風の雨に佇む
叩かれて飛ばされて
地獄を味わう
狂暴な自然さえ
足早(あしばや)逃げてく
負け犬だ

絶望の雨に佇む
見上げればキラキラと
宝石みたいだ
たくさんの愛でさえ
守れぬ世界に
死んでゆく





8/26/2024, 11:47:08 AM

詩(お題)
『私の日記帳』


私の日記帳、燃やして欲しい
数日まえ頼まれた
「私が死んだら、約束してね」
だったら書くなよ!
そう言いかけて、うなずいた

読まれて困るもの、恥ずかしいもの
でも気持ちは残したい
あなたが生きてた、証拠だもんね
毒矢もハートも
託されたなら、ぜんぶ読む

えっ?
読んじゃうよね?
普通だよね?
違うの?
私は、読みたいっす!

「ごめん」

8/25/2024, 8:17:25 PM

詩(お題)
『向かい合わせ』


向かい合わせのテーブルには
いつも恐怖が座ってた

期待と不安の自分だったり
暖かくて迷惑な親だったり

支えでありライバルの友達や
感情を破壊する異性だったり

向かい合わせで座っていると
思わず伏せて視線を外す

向かい合わせの運命たちを
やっとこの頃
抱きしめたくなった


8/24/2024, 10:59:55 AM

詩(お題)
『やるせない気持ち』


宛名のない、行き場のない
ひとりぽっちの、公園のベンチ

それが、やるせない気持ち
見上げる三日月が、にじんでく

叶わないのに、諦めきれず
願いは千切れて、落ち葉に変わる

それが、やるせない気持ち
落ちれば朽ちていく、ひっそりと

守りきれず、失ってく
情けないほど、みじめなじぶん

それが、やるせない気持ち
それでも生きていく、夢はある

8/24/2024, 5:38:42 AM

詩(お題)
『海へ』


渋滞してる道路
潮の匂いに高まる鼓動
潮騒が聴こえてくる
久しぶりの海へ、ゴー!

砂まみれのサンダル
ギラギラ太陽
やけどする砂浜、踏みしめて
水着デビューは大胆に

海小屋はにぎわい
子供は探検家、若者は無法地帯
それを見つめる老人たち
流れる夏らしいミュージック

海水は少しナマ温かい
カニや海草をよけながら
海へ、深い海へ、歩いてく
振り向けば砂浜は過去になる

泳げば溺れて海水を飲み
それでも泳げば足がつる
もぐればサカナやエビがいた
足の指先でアサリも探す

もうすぐ満潮、来るから戻れ
誰かが仲間に叫んでた
ゆっくり泳いで砂浜向かう
意外と満潮、追い抜かれてた

顔もやけどでヒリヒリしてて
夜はアサリでビールを飲んだ
海へ、もう一回、そう海へ
それはすべて、昔の記憶









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