旅舟

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4/1/2024, 11:51:30 AM

詩『エイプリルフール』


あいつのあだ名は、四月バカ
憎めぬうそを言うからさ
秋でも冬でも、四月バカ
まじめな場所でも笑ってる

遺影となって何年だろう?
四月の命日、また来てしまう
スキだと言ってた
菜の花添えて
今年はおれが言ってやる

「そっちに行ってもいいかな?」

だめ!と言ったら
それがうそにもなる日…なんだよね。(笑)

エイプリルフール
本音が言える、素直に言える
すべてが本当の
四月バカ。

3/31/2024, 6:27:43 PM

詩『幸せに』


恨み辛みもあるけれど
ぼくをいじめた人たちよ
妬(ねた)み嫉(そね)みもあるけれど
ぼくを笑った人たちよ

過去は冷凍保存され
けっして捨てやしないけど
今じゃ、父さん、母さんさ
いっぱい苦労もしただろう

人生は理不尽さ
それでも、幸せの順番は
ぼくに今でも、まわってこない
それでも、不幸の責任は
きっとその後の、生き方なんだ

決別だ
やっと言えるよ「幸せに」
赤の他人にしてやるよ
決別だ
死んじゃ花実も腐っちまう
もがき足掻(あが)いて生きてくよ

「幸せに」
それはすべての解放だ
それは、新たな旅立ちなんだ



3/30/2024, 9:26:27 PM

詩『何気ないふり』


とんでもないふりをして、生まれ
とんでもないふりをして、愛され
とんでもないことをした、じぶん

何気ないふりをして、生きて
何気ないふりをして、愛し
何気なくひとりきり、じぶん

死んでいるふりをして、隠れ
死んでいるふりをして、ねむり
死ねなくて食べている、じぶん

何気ないふりこそが、せかい
何気ないふりこそが、人生
何気ないふりのうそ、うざい

何気ないふり、じゃ…ごまかせない
わたしの言葉が、噴火する

3/30/2024, 9:19:25 AM

詩『ハッピーエンド』


ここは沼だ、泥沼だ
行き詰まった、人生だ
ヌメヌメとした、かなしみが
まとわりついて
夜の暗闇に、引き込んでゆく

ここは沼だ、底無しだ
あきらめれば、死ねるのだ
ブツブツと沸く、さびしさは
まるで大鍋、
人のやさしさが、煮殺してゆく

ここは沼だ、その底だ
朝陽さえも、届かない
ヘドロの汗に 縛られて
わたしは消える。
それもだれかには、ハッピーエンド

きっと、二人にも
ハッピーエンド