詩『エイプリルフール』
あいつのあだ名は、四月バカ
憎めぬうそを言うからさ
秋でも冬でも、四月バカ
まじめな場所でも笑ってる
遺影となって何年だろう?
四月の命日、また来てしまう
スキだと言ってた
菜の花添えて
今年はおれが言ってやる
「そっちに行ってもいいかな?」
だめ!と言ったら
それがうそにもなる日…なんだよね。(笑)
エイプリルフール
本音が言える、素直に言える
すべてが本当の
四月バカ。
詩『幸せに』
恨み辛みもあるけれど
ぼくをいじめた人たちよ
妬(ねた)み嫉(そね)みもあるけれど
ぼくを笑った人たちよ
過去は冷凍保存され
けっして捨てやしないけど
今じゃ、父さん、母さんさ
いっぱい苦労もしただろう
人生は理不尽さ
それでも、幸せの順番は
ぼくに今でも、まわってこない
それでも、不幸の責任は
きっとその後の、生き方なんだ
決別だ
やっと言えるよ「幸せに」
赤の他人にしてやるよ
決別だ
死んじゃ花実も腐っちまう
もがき足掻(あが)いて生きてくよ
「幸せに」
それはすべての解放だ
それは、新たな旅立ちなんだ
詩『何気ないふり』
とんでもないふりをして、生まれ
とんでもないふりをして、愛され
とんでもないことをした、じぶん
何気ないふりをして、生きて
何気ないふりをして、愛し
何気なくひとりきり、じぶん
死んでいるふりをして、隠れ
死んでいるふりをして、ねむり
死ねなくて食べている、じぶん
何気ないふりこそが、せかい
何気ないふりこそが、人生
何気ないふりのうそ、うざい
何気ないふり、じゃ…ごまかせない
わたしの言葉が、噴火する
詩『ハッピーエンド』
ここは沼だ、泥沼だ
行き詰まった、人生だ
ヌメヌメとした、かなしみが
まとわりついて
夜の暗闇に、引き込んでゆく
ここは沼だ、底無しだ
あきらめれば、死ねるのだ
ブツブツと沸く、さびしさは
まるで大鍋、
人のやさしさが、煮殺してゆく
ここは沼だ、その底だ
朝陽さえも、届かない
ヘドロの汗に 縛られて
わたしは消える。
それもだれかには、ハッピーエンド
きっと、二人にも
ハッピーエンド