10/8/2025, 2:30:55 PM
彼は僕の顔をしらない
どんな色の肌をしてるのか
どんな形の目を持っているのか
君はしらない
白杖を利き手で持つからいつも繋ぐ手は左
僕の顔を知らないから
僕は君にたくさん話しかける
君の近く肩を添わせて
僕がスマホで見てるのか気になる彼に
「なんだと思う?」なんてにやにや
彼は見えないってのに
自然と笑いかけてしまうのは
きっと、愛するが故。
10/4/2025, 2:46:09 PM
普段
「こうだったらいいのに」みたいな
想像はしないようにしていますが
どうにも羨ましくなったのでやらせてほしいと思います。
もしも、私が
白い毛皮をフワフワさせて
長い耳をそっと垂らした
ケージの中のウサギさんなら
きっと、
貴方は毎日顔を見せては
その手で食べものをご馳走してくれます
きっと、
貴方は私の自慢の体毛に触れては
柔らかい肉や細い背骨を優しく撫でてくれます
きっと、きっと、きっと、きっと、きっと、
寂しいからって触れさせてくれます
今日だけは理想論を吐いたので
少し胃のキリキリがすっきりしました
だって、まだあなたが好きなんですもん
10/1/2025, 1:11:42 PM
『厳しい暑さが残るなか、
いかがお過ごしでしょうか。』
走らせた鉛筆をふと止めて
何気ない感覚をどう言葉に表そうかと考える
『私の方は、もうすぐ
秋がやってきそうです。』
なんだか違う気がする
他に何か思い付くわけでもないゆえに
鉛筆をコロコロ転がす
『私の方は、もうじき
涼しくなってきそうです。』
なんともパッとしない。
開けた窓からしぶとい夏の風が入り込んでくる
外のカエデの木がゆれて
さわさわと声が聞こえる
あっ。床に一枚の葉っぱが落ちてた
半分だけ紅くなったカエデの葉っぱ
これだ。
『私の方に、やって来た
一枚の秋を贈ります。』