あの時私のことを助けてくれた人は
誰だったっけ
あなたが私を作ったんだっけ
ああ、あの時からあなたが私の神様だったんだ
暗闇の中でひとつの輝きを放つ居場所に、
なってくれたんだっけ
美味しいってご飯を食べてくれたっけ
私のために車を出してくれたっけ
結局間に合わなくて2人で寄り道したよね
あ、そうだ、あなたがお腹を壊して……
ひとつも忘れたくない。
あなたの私を呼ぶ声も
私がご飯を食べるのを愛おしそうに見つめていたあの瞳も
頭痛いよ〜って泣いてる私を心配そうに撫でてくれた手も
あなたの香りも
あなたの落ち着いた声も。
なにひとつとして巻き戻し再生はできないけれど
大切な、大切な私の宝物。
けれど、私のことは早く忘れてね
私の声も、私の顔も、私の匂いも、私の愛し方も
なにもかもきちんと消してね。
そうして前に進んでね。
一瞬でもあなたの頭の中にいられて幸せだったから。
それだけで充分だったから。
同じ景色を2人で並んで見ることはありません。
私の作ったご飯を美味しいって食べてくれる、
そんなあなたはいません。
寒いねって暖め合うことも、
春がきたね、あと何回一緒に桜を見れるかなって笑うことも
あなたの幸せを願うこともありません。
あなたが毎日笑顔でいられますように
そう遠くから願うこともありません。
何を言われても、もう無駄なんです。
失ってから気づくとか、そんな子供じみたこと
言わないでくださいよ。
悲しくなってしまうから。
あなたがくれた3年間は
今の私を作る、かけがえのないものでした。
あなたが好きだと言ってくれたから
好きになれた「私」は、
あなたじゃない人が大切にしてくれる「私」に
変わってしまいました。
あなたが大切にしてくれた日があったから、
あなたが大切にしてくれなくなった時に、
抱きしめてくれる人が現れたんだと思います。
泣きません。あなたのためには。
悲しみません。あなたのためには。
でも忘れません。
この先何年生きていても、
「私」を作る、神様の1人になってくれたこと。
晴れだと暑いし。
雨だと鬱陶しいし。
ずっとそのくらいの気温で愛してよ。ずっと。
夢は、ずっとそこにあって、私たちを支えてくれる。
現実は、そこにあって、私たちを大人にさせてくれる。
夢も現実も捨ててはいけません。
夢が叶わなかったから、ダメな人間。
な訳ありません。
夢を追わなかったから、現実が辛い。
のではありません。
夢が叶わなかったから、夢に向かって進むことが出来た。
夢を追わなかったから、今のあなたが立派に現実を生きているんです。
夢を持つこと、そして叶えることにさして意味はありません。
それよりも、
夢を持ち、追い続け、それでも叶うことのなかった夢、
叶った夢、それを経験したあなたがいることが大切なんです。
叶えようと頑張ったこと、
見切りをつけてあきらめたこと、
その全てがあなたの人生に刻まれた。
それこそが、本当に大切にすべきものなんです。
夢と現実はまあ、違うよね。
そんな軽い嘲笑に負けないでください。
あなたはきちんと前に向かっています。
例えそれが1cmずつでも、1mmずつでも。
朝が来ました。
時間はとめられません。
確実に、そしてはっきりと、進んでいきましょうね。
私たちが本物なら、また、会えるよね