彗皨

Open App
6/27/2023, 9:28:55 AM

君と初めて出会った日は、快晴だった。
心も体も私のモノ。
だけど、だんだん曇ってきて。
あなたの中にある宝を私が切り裂いてしまった。
今も吊られているあなたの宝。
土砂降りの中、雷の光で照らされる
唯一無二の宝。
君と最後に会った日は、君の泣き顔すら見れないのね

6/25/2023, 2:46:42 PM

「繊細な花」

「もうお前学校来んなよ!!」
「ほんっと目障り。生きる価値なんてないから。」
「ご、ごめんなさ…」
「無理!」
「即答とかウケるんですけどwwww」
「あ、やば早く帰らなきゃ。」
「ほんとだ。じゃあまたねー?笑」

「…はあ、、」
私は中学二年生。
二年生になってクラス替えをして、最初は楽しかった。
だけどどんどん私へのいじりが酷くなっていじめへとエスカレートした。
「今日は殴られるだけで良かった、、」
普段は靴を隠されたり、水をかけられたり、髪を切られたり、倉庫に閉じ込められたり…
説明がつかないほどのいじめをされている。

「でも…」
もう死にたい。何度そう考えたか。
今死ねたらどれだけ幸せか。
もう耐えられない。
「死んでやる。」
私は覚悟を決めた。
体育館倉庫から縄を持ち出して教室の窓で…
「…最初は楽しかった。 最初は。」
首を吊った。

後日、私は首を吊った状態で目撃された。
「いじめを受けていただなんて…知らなかったです…」そう泣きながら話す母を見て虚しい気持ちになった。
「あの子は繊細で、とっても優しい子なんです…だから、、自ら…首をっ……」
「お母様…心中お察しします。。本当に心からご冥福をお祈りします。」
「もし良ければですがこちら…」
「、、?これはっ…?」
「お花です。お墓などの傍にと思いまして…」
「、、ありがとう…ございます、きっとあの子も喜ぶかと……」
「いえいえ。本当に突然のことで…お悔やみ申し上げます。ご冥福をお祈りします。」

私の墓のある墓場に行くと母が先生から貰った花をそっと置いた。

私の心に置かれた花は、繊細な心を癒してくれたように暖かかった。

6/24/2023, 11:34:19 PM

1年後の私。
「あなたは今何をしていますか?」
そう書いた、未来の自分へ宛てた手紙。
何をしているかなんて、私からしたら愚問だった。
私は今、何もしていない。
それは 無職だとか、そういう訳ではなくて。
私は今、生きるのを拒んでいる。
もっと言えば、私が今を生きているかどうかすら危ういということ。

命が尊いと教えられたのは小学生の頃だ。
道徳の時間に「命の尊さ」を知った。
「貴方は命の尊さをどう考えますか。」道徳のノートにそう書かれていた。
私は、その質問はおかしいと思った。
命は美しい。それは確かだ。
だけど、命の尊さと儚さを、言葉で表現できないから美しいのだと思っている。
私は白紙のノートを提出した。
次の日の朝、先生に「どうして何も書かなかったのか」と説教された。
意味が分からなかった。命は言葉に包めないから美しいのに。真っ白のノートを渡して何が悪いのか。
「分かりません。」と応えた。
「あなた、今日放課後残りなさい。そして、この白紙のノートを埋めなさい。」そう返された。
「分かりました。」私はそう答えるしかなかった。

放課後、私は先生と二人きりの教室で、ひたすら悩んだ。一体何を書けば良いのだろう。
嘘をついてまで、命の尊さを表現しなければならないのか。悩みに悩んで一時間が経過した。
「あなたいつまで書いてるの…って、何も書いてないじゃない!いい加減にしなさい。」声を荒らげて怒られた。
「あなたねぇ、命の尊さを書くだけよ?
難しく考えなくていいの。あなたが思うことでいいの。」
ピンときた。「命の尊さは言葉では表せない」そう書こうとした。すると、
「…言葉で表現できないと言うのは分かるけれど、もう少し質問に反った答えを書いてちょうだい、?」
呆れた声で言われた。
「…じゃあ書けません。」
「…いい加減にして。もう冗談を言う時間は終わりよ。早く書いてくれる?「無駄な時間入らないのよ。」」先生が言った。
私は、私の中で何かが壊れたような気がした。
「無駄な時間」…?私が命について考えてる時間は先生にとっては無駄な時間だった?

私は何かが崩壊したように暴れた。
「あなたっ…ちょっ……と、、、」
真っ白なノートが先生の赤色で埋め尽くされた。
私は、先生に言われた通りノートを埋めて提出した。

「動機は何ですか?」
「分かりません。」
「…では質問を変えます。命を奪った自覚はありますか?」
「…まあ。」

1年後の私は今、刑務所に居る。
生きているのか死んでいるのかも分からない、朦朧とした意識の中 ただじっくり、冷たい床が私の赤色に染まっていくのを見ている。