彗皨

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「繊細な花」

「もうお前学校来んなよ!!」
「ほんっと目障り。生きる価値なんてないから。」
「ご、ごめんなさ…」
「無理!」
「即答とかウケるんですけどwwww」
「あ、やば早く帰らなきゃ。」
「ほんとだ。じゃあまたねー?笑」

「…はあ、、」
私は中学二年生。
二年生になってクラス替えをして、最初は楽しかった。
だけどどんどん私へのいじりが酷くなっていじめへとエスカレートした。
「今日は殴られるだけで良かった、、」
普段は靴を隠されたり、水をかけられたり、髪を切られたり、倉庫に閉じ込められたり…
説明がつかないほどのいじめをされている。

「でも…」
もう死にたい。何度そう考えたか。
今死ねたらどれだけ幸せか。
もう耐えられない。
「死んでやる。」
私は覚悟を決めた。
体育館倉庫から縄を持ち出して教室の窓で…
「…最初は楽しかった。 最初は。」
首を吊った。

後日、私は首を吊った状態で目撃された。
「いじめを受けていただなんて…知らなかったです…」そう泣きながら話す母を見て虚しい気持ちになった。
「あの子は繊細で、とっても優しい子なんです…だから、、自ら…首をっ……」
「お母様…心中お察しします。。本当に心からご冥福をお祈りします。」
「もし良ければですがこちら…」
「、、?これはっ…?」
「お花です。お墓などの傍にと思いまして…」
「、、ありがとう…ございます、きっとあの子も喜ぶかと……」
「いえいえ。本当に突然のことで…お悔やみ申し上げます。ご冥福をお祈りします。」

私の墓のある墓場に行くと母が先生から貰った花をそっと置いた。

私の心に置かれた花は、繊細な心を癒してくれたように暖かかった。

6/25/2023, 2:46:42 PM