僕は草っ子、僕は草っ子。
道端に生えている草っ子は僕の兄弟。
今日は年に数回しかない不思議な雨が降った。
通常であれば透明な雨、比較的兄弟の大半が同じ時間に経験する雨。
でも今日は違う。降る場所は限られており、
なんたって色が黄色なのだ。
降り止まない雨。
いつ止むのだろうか。
僕はこの匂いが嫌いなんだ。
色も何もない、透明な世界があるのなら、
私はそこの住人になろう。
心を彩る感情もない、
頭を悩ます黒いモヤもない、
何もない、ただ透明な世界。
きっと今よりも素敵な日々を暮らせるだろう。
なんだ、これ。
妻の部屋に貼ってあった紙にはこう記されていた。
理想のあなた
白馬の王子様のような姿
どこぞの名探偵のような頭脳
どこぞの詐欺師のような話術
社長
いや、ツッコミどころがありすぎて、
なんと言えばいいのやら、。
最後だけ生々しすぎる、、。
まだ平社員なのに、、後何年かかるのやら、。
少しの間、妻との付き合い始めの頃を思い出し、
俺は部屋を後にした。
今日は早くに目が覚めた。
だから思う存分、優雅な朝を過ごした。
紅茶を飲んで、クラッシックを聞く、、そんな朝を。
だが、それが間違いだった。
学校に行き、机に必要なものを置いていく。
しかし、何かが足りない、、。
そう、ラブレターだ。
今日私は1組の雅くんにラブレターを渡すのだ。
昨日、精神統一をみっちりしたため、
そして今日彼は部活がないため、
私は今日渡そうと決めたのだ、そう、決めたのに!
あぁ、、、優雅さを求めなけりゃ良かった。
でも、今日しかない、、、。
紙ではなく声で伝えてみようかな、、
そんな考えが頭にうかぶ。
飾らない君が好きだ。
去年の夏、電車に揺られる君を見て心が高鳴った。
君がここの会社にやってきた時は運命かと思った。
僕が君に思いを告げた時、
君はキッパリと僕を振ったね。
だが、僕の気持ちは膨れるばかりだ。
さあ、僕の心を奪ったこと後悔しな。
まあ、しても遅いのだが、。
今日も僕は君に、愛を叫ぶ。