今でも、脳裏に焼き付いて離れない光景がある
その日はバレンタインデーだった
私は彼を呼び出し
学校近くの図書館前で待っていた
いつもは自転車の彼だが
その日は歩きだった
少しずつ彼の姿がはっきりしていく
学ラン姿の彼
朝日に照らされた彼の姿は
なんとも神秘的でかっこよくて儚くて
私はこの光景を思い出すたび
彼を恋しく思う
共通テストまで後25日
緊張で眠れないこともなく
焦って勉強ばかりするのでもなく
私は映画を見ていた
一緒に映画鑑賞をしていたお母さんが
私にプレゼントをくれた
私は推しのグッズだと思い
とてもワクワクしていた
けれど、プレゼントはグッズでなく
カレンダーだった
ただのカレンダーではない
受験までの日めくりカレンダーであり
一枚一枚に推しの写真や家族の写真が貼ってあった
とても素敵なプレゼントだった
美しいと思った
暗闇を照らす蛍のように
彼女は戦っていた
まるで天使が踊るように
剣を振るう彼女
赤黒い水飛沫を背景に
彼女は舞う
この胸の高まりは
一体何であろうか
あぁ、、、
彼女から目が離せない
あの子は走る
誰よりも速く
あいつは歩く
急足でね
あの方は歩く
ゆっくりと
なぜ彼らは動くのか
それはね
彼らの仕事だからさ
時を告げるという
彼らは今も
働いている
部活帰りに図書館で勉強をする
それが僕の日課である
だが今日は違った、、君がいた
勉強を真面目にする性格ではないだろうに
玻乃、偉いな
一緒に勉強してもいい?
君の答えを聞く前に、僕は君の向かい側に座った
雄也、、
聞いた割には、もう座ってるのね
まあな、、、
互いに集中して取り組んでいるため会話はなかった
たが、それが心地良くもあった
誰かと、君と勉強するのも悪くないなと思ってしまった
なぁ、帰り久しぶりにラーメン食べに行かないか?
賛成、じゃあ後三十分勉強しよ
おう
あぁ、だめだ
上がりきった口角が君に見えなければいいのだが、、