なんだ、これ。
妻の部屋に貼ってあった紙にはこう記されていた。
理想のあなた
白馬の王子様のような姿
どこぞの名探偵のような頭脳
どこぞの詐欺師のような話術
社長
いや、ツッコミどころがありすぎて、
なんと言えばいいのやら、。
最後だけ生々しすぎる、、。
まだ平社員なのに、、後何年かかるのやら、。
少しの間、妻との付き合い始めの頃を思い出し、
俺は部屋を後にした。
今日は早くに目が覚めた。
だから思う存分、優雅な朝を過ごした。
紅茶を飲んで、クラッシックを聞く、、そんな朝を。
だが、それが間違いだった。
学校に行き、机に必要なものを置いていく。
しかし、何かが足りない、、。
そう、ラブレターだ。
今日私は1組の雅くんにラブレターを渡すのだ。
昨日、精神統一をみっちりしたため、
そして今日彼は部活がないため、
私は今日渡そうと決めたのだ、そう、決めたのに!
あぁ、、、優雅さを求めなけりゃ良かった。
でも、今日しかない、、、。
紙ではなく声で伝えてみようかな、、
そんな考えが頭にうかぶ。
飾らない君が好きだ。
去年の夏、電車に揺られる君を見て心が高鳴った。
君がここの会社にやってきた時は運命かと思った。
僕が君に思いを告げた時、
君はキッパリと僕を振ったね。
だが、僕の気持ちは膨れるばかりだ。
さあ、僕の心を奪ったこと後悔しな。
まあ、しても遅いのだが、。
今日も僕は君に、愛を叫ぶ。
明日世界が終わるなら、
夜眞さんはどうしますか?
私は、もう一度あの場所で、
夜眞さんのぬくもりを感じたい、。
蛍の光に包まれて、
夜眞さんの香りを身に纏う。
低くどすのきいた声で、
私の名前を呼んで、、。
明日世界が終わるなら、
私は夜眞さんと共にいたい。
なんだ、ここは、、。
俺は目の前に広がる光景に目を疑った。
さる、きじ、いぬ、もも、、、。
そして、大勢の鬼。
そこにはかつての友がいた。
そしてかつての戦友たちがいた。
もう二度と会うことはないと思っていた。
だが、またこうして会うことができた。
こんなに嬉しいことはない。
さぁ、友よ。
今、このひと時を共に過ごそうではないか。
拳でなく、言葉で互いを知ろうではないか。