その断片は私の血肉
ああ、おいしい、おいしい
これで今日も生きられる
全ては自分の中に
放出する
私は夢見る
この宇宙へ
ああ、おいしい、おいしい
お題 「夢の断片」
未来って、見えるとか見えないとかいうの?
だって、未来って見えないじゃん。
見えたとしたら、それは単なるあなたの思い込み。
たまたま、そんな思い込みとか予感が、実現したことがあるから、見えるとか見えないとかいうのよ。
もし、超能力みたいに、未来がみんな見えちゃったら、そんなに不憫な事などないわ。
起こること全部わかってしまったら人生つまらないでしょう。
見えない未来へ
これからどんな展開があろうか。
喜怒哀楽、何を感じるのだろう?
ワクワクさえする。
そうだ、見えるとしたらそれは希望だ。
生きている、進め、希望だ。
お題 「見えない未来へ」
マッチを擦る。
ショワっと火が着く音と、火薬の香り。
私の吐息で僅かに揺れる。
ランタンに火を灯ると、目の前に見覚えのある風景が映される。
ここは、隔離された無機質なホスピス。
致死率80%の驚異的なウイルスが蔓延したせいで、余命がいくらもない私は、この部屋で一人過ごしている。
唯一の娯楽は、このランタンだ。
火を灯すと自分の記憶が蘇る。
マッチ売りの少女みたい。
あの子も死ぬ前に、灯した明かりに幸せな記憶を見ていたんじゃなかったかしら。
私の記憶は、子供の頃のこと、初恋、友達、仕事に没頭した日々、夢が叶った時、私の子供たち…
四季の移ろい、生命のエネルギー…
自分は生きにくい性格をしていると思っていた。
生い立ちは酷くはないが良くもない。
苦難もたくさんあった。
しかし、このランタンに映し出される日々は全て愛おしい思い出ばかり。
はじめから、ずっと幸せだったのだ。
既に、充分だった。
幸せを噛み締めて、目を閉じる。
ランタンの灯りもそっと消えた。
お題
「記憶のランタン」
今年はどのような彩りを?
凍てつく寒さはどれほどまで?
ここ数年は比較的穏やかな気がするんだけど、私はもっと寒くても良いと思ってる。
東京にたくさんの雪を。
非日常を。
お題 「冬へ」
家の裏にある駐車場で、ストーブで暖をとっている。
寒い日はみんなここに集まる。
寒いのなら家に入れば良いのだけれど、コロとケンは外犬だし、家猫も出てきて離れないし、近所の野良猫も暖を取りにくるものだから、僕もしょっちゅうここにいるようになった。
考えることは、今日の後悔、反省会。
変なことを言ってしまったか、言い方が悪かったのではないか、あの同僚の僕を見つめる目は怒らせてしまったのではないか。
思い込みのような、自分への疑いのような、心がキュッと締め付けられる。
こんな時はほっかり暖かい灯火と、僕の痛みなんて何にも知らない彼らと一緒にいることが、ある意味癒しになっている。
彼らだって孤独。僕だって…
灯火を囲み、僕なりの一家団欒。
お題 「灯火を囲んで」