「突然の君の訪問。」
困る。絶対に部屋には入れぬ……。
私は、烈火の如く怒り狂った。
誰であろうと、この先一歩も通すわけにはゆかぬ。
私は、仁王のように腕組みをして玄関に立ち塞がった。許せぬ…。
続いて私は財布だけをひっつかんで、そして君の手も同時にひっつかみながら、君にほぼ体当たりを食らわせつつ、玄関から一緒に(無理矢理)飛び出したのだった。
へらへら笑いながら軽い気持ちで訪ねて来た君には悪いが、相手が悪かったのだ。
近所のコンビニでコーヒーでも奢ってやるから、おとなしく帰れ。
そして二度と来るな。
…泣くな!なぜとも聞くな!!
口調がおかしい??
絶対、来るなとあれだけ言っておいたのに、のこのこやって来るからだ!
……私はいわゆる「とんでもなく片付けられない人」なんだぞ。
恥ずかしいから遊びに来るんじゃないとあれだけ言っっておいたのに…
…え?遊びに来たんじゃない?
君は背中からリュックサックをおろして私に中身を見せた。
40リットルのゴミ袋の束と、軍手と、なんか洗剤と、あとなぜかおむすびと、カロリーメイトメイプル味と…チョコようかん…。
片付けの手伝いをしに来たから、一緒に片付けちゃいましょう??
よ……よけいな、お世話だ……え?いつまで待っても「片付いたよ」って言って来ないからしびれを切らして来た…?そんな…めそめそしながら、なんて強引な………
だ、駄目だ!私は君に嫌われたくないのだ。
あんな部屋を見せるわけには…
何?覚悟は出来ている?何を見てもこんなもんだと思うから大丈夫?
それはそれで失礼な……。
せっかくだから、コンビニで拭き掃除シートを買え?
コーヒー飲ませて帰そうなんて甘っちょろい事言ってるからいつまでたっても片付かないんだ?ビニール袋とぞうきんも買え?あ、あるかな…ぞうきんなんてコンビニに……
え?コーヒーも買え?なんで………
倒れたらそれ飲んで起き上がれ?眠らせないつもりなのか!
今晩、眠れると思っているおまえの根性を叩き直すために来た?
………ああもう、わかったよ…泣きながら言うなよ……。
❁3時間睡眠のテンション(ΦωΦ)
「雨に佇む」
私が雨に佇むならば、グレーの傘の内側に…
リアルな雨より遥かに優しい、水気を含んだ…
紫陽花の花を咲かせよう。
誰にも見えない花。誰に、見えなくてもいい花。
グレーの傘の内側いっぱい、
吹きこぼれるように咲かせよう。
風に花びらがこぼれて、私がそれを目で追っても、
君には見えない。
でも、淋しくはないの。…私がそうしたのだから。
雨の日の薄暗い傘の中に追放された花盗人が、
盗んだ花に取り巻かれて、佇んでいる。
追放したのは君だけれど、本当のところはわからない。
私が追放されたくて、されたのかもしれないよね?
孤独にたった独り、雨の中に佇むふりをして、
傘の中に培われた幻想の花に溺れる…
君に見えている私と見えていない私の乖離があるけれど、
君は片方の私だけしか知らないままでいていい。
ちょっと意地悪な気持ちで、誰にもわからないように笑う。
「ずっと知らないままでいて、いいんだよ」って笑う。
「私の日記帳」
私は日記を書かない。書けない。
だから、日記帳もない。
何度も、日記はつけようと思った。でも、なんか違った……。
今日、こんな事があってこう思いましたって、簡単に書けばいいのにそれが、な~んか楽しくない。
萌えない。……😺。
どうやら毎日、自分の現状を記すのに興味がゼロだったらしい…。
特別楽しかったり、覚えておきたい事があったら、ノートの隅にメモする。
それが日記と言えば言えるかもしれないけど、私は「あったこと」はあんまり書かないのだ。それをすっ飛ばしてなぎ倒して、
どう感じたか、それだけをメモ書きする。
勢いにまかせるので、後から読むのに苦労するんだけど。…誤字脱字で。
しかもあったことは書かないので、文脈が行方不明になって??って思う。
多分、さあ書きましょう。と思うのも嫌なのだと思う。
その瞬間にもう書いているようでないと、気持ちが追いつかない。
だからそこら辺の広告の裏とかにも、ダーッと書いてる…。
それに、日記帳はこれだ!!っていうのを選んで買うから、気負ってしまうんだと思う…。
よそ行きの文章になって、これ誰!?ってことになったりして……「え?私もしかしたらホラ吹き?🙀」って気分になる。実にめんどうくさい…。
だから日記帳はないんだけど、ノートの買い置きはたくさんある。📒✨️
ダーッと書いてボロボロになる、「なんでもノート」なんである。
「向かい合わせ」
背中合わせより、ずっと、気まずい…
目を見ているフリして、あなたの前髪を見る。
距離近いな、よけいなこと言っちゃいそうだな、
出来るだけ黙ってようかな、不自然にならないくらいな感じに。
…いろいろ考えた後、フッと力を抜く。
考えても無駄だ。なるようになるだろう…。
心はちょっと投げやり?な方へ傾くけど、テンパってる雰囲気は変わらないだろうな。
でも、いいかって、思う。
こうやって向かい合わせであなたと話す機会なんて、もうないかも知れないし。
ずらしていた視線をあなたの目に戻す。
ああ、笑ってるのね。ありがたい。
おもしろいことなんて言えないけど、雑談出来たら○🙆
気を使ってくれてるのかもしれないけど、笑ってくれたから○🙆
ちょっと憧れてることがバレてるとしても、まぁ、いいでしょう。ぜんぶ◎🙆
うん。…悪くない感じだね。私にしては上等だよね。……ね?
「やるせない気持ち」
行き場なく、歩く。
どこにも誰にも辿り着かない思いを抱えて歩く。
はじめから辿り着かないとわかっているなら、
このやるせなさだって、持っていなくていいはずなのに。
孤立しても悲しんでも、それはいつか誰かが抱いた悲しみに似て、オリジナルなものなんて、私はなんにも持ってないのに、
人類の遠い記憶からまるで「こうやって苦しむんだよ」と強制されてるみたいに、「苦しい」は、苦しい…。
誰が…人はこうして苦しくなる。って雛形を作ったんだろう。
従わなければならないだろうか。
この、正体不明な光の、影に。
こんなにたくさんいる、人間が、
こんなにたくさん孤独を抱えている。
群生する生物なのに離れ小島みたいな心を作り出して、ひとりひとりに割り振るなんて、実に趣味が悪い。
神さまがそう創った…わけでもないだろう、と思う。それにしては効率が悪過ぎる。
そんなもんだと、OKしてきた、受け入れて引き継いで、新たに紡いだ状況が、どこかの時点で出来たなら人間サイドの責任かなぁ…。
いち抜けた、したいわ…。