「海へ」
海へ連なる川を辿って、用もないのに海へ行く。
きれいな川ってわけでもないけど、魚が跳ねて、水母も浮かんで、油断してると大きな鷺が羽を休めていたりする。
てくてく歩いて行って、やがて海が現れると、ああ海だぁ……ってやっぱり思う。
川幅というものがすこーんと無くなって、突如、空虚になるくらいの広がりに不覚にも圧倒され…
ごみごみした街の果てに、淀んだ川から来た人を、裏切るようにひろがる青に、圧倒され…
別に何の用もなくやって来て、ぼーっとして、
そして川へ戻る道を折り返して帰る。
港町名物の、お弁当とお菓子を買って、
いかにもその為に来たんですよ。という顔をして帰って、海へのお散歩、終わり。
「裏返し」(夏バテ)
光の裏返しの影が、あって良かった…夏の日は。
日傘の影を創るほど、影にはお世話になっている。
1枚の絵の陰影の深みが語る…表裏一体。
バラバラになんてならないね。
どこかで繋がる仕様です。
影に安らぐ夏の日の、アイスクリームのおいしさよ…🍨
コントラストに満たされて、気絶…じゃなくて、昼寝から覚め……
夏もそろそろ終わりかなあ…いや、まだだなぁ。って呟いた。そして唐突に鼻歌歌う。
残暑来るーきっと来るー♫😹
「鳥のように」
鳥のように空を、飛べたらいいなあ。私だけ。
神さま、どうか私だけ、内緒でよろしく🦉
だって、みんな飛べちゃったらピカピカの光輝く「孤独」の飛翔、真っ青な空(あるいは星空)をギューンと横切っていく喜びがいっぺんに失せて、
「あ、ぶつかっちゃうから気をつけなきゃ💦」
という切な〜い配慮にぜんぶ変わる(T_T)
私だけ飛べてればいいの❢
みんな飛べてたら、落っこちてくるぞぉ~
ちょこちょこ、落っこちてくるぞぉ~(汗)
安心しておもてを歩けなくなるぞ…
…だから、人類は飛べなくていい。
飛行機に乗りましょう。
まぁ…私もそうします。😸
「さよならを言う前に」
さよならを言う前には、きっと何も考えない。
何の覚悟も出来ないまま、ただ、言ってしまうのだ。
…もう、駄目だという自分の心を欺けずに、
全身で「さよなら」と告げ、背中を向ける。
だから、わざわざ言葉になんてしない。
ただ遠ざかるだけ。
モノクロームの花束が身体から湧き出て来るみたいな、私の「さよなら」。静かなものよ。
だから、…氣付かなくてもいいの。
ただ、離れてゆくの。
「空模様」
雲の流れが早い。急に視覚を宇宙まで飛ばして、
その雲の流れを遠隔で追いかける。
想像だけどね。この真っ白い流れに乗って、時間も超えられたらいい。
越えたつもりになって、ぼくの隣にいた頃の君に会いに行こう。
視覚は雲の中を乱れ飛んで、見知った街へ出る。
高速で飛ぶ小鳥のように君を見つけ、その眸を捉える。
透き通った君のまなざしが、バチッとぼくの視覚とダイレクトにぶつかって、
これが過去なんて、ぼくの想像だなんて嘘だろう…?
あざやかで、たった今みたいな戦きだ。
ぼくの心は瞬間打ち震え、君の、花がほころぶような笑顔が焼き付き、「え?何で笑うの?…」
笑ってくれるの?…って泣き笑いする。
瞬間の想像はぼくの中に生まれ、心を焦げつかせて、君が大好きだった事を甦らせた。
…おかえり、ぼく。
ちょっと、びっくりしたね…?