灰田

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「空模様」

雲の流れが早い。急に視覚を宇宙まで飛ばして、
その雲の流れを遠隔で追いかける。

想像だけどね。この真っ白い流れに乗って、時間も超えられたらいい。
越えたつもりになって、ぼくの隣にいた頃の君に会いに行こう。

視覚は雲の中を乱れ飛んで、見知った街へ出る。
高速で飛ぶ小鳥のように君を見つけ、その眸を捉える。

透き通った君のまなざしが、バチッとぼくの視覚とダイレクトにぶつかって、

これが過去なんて、ぼくの想像だなんて嘘だろう…?
あざやかで、たった今みたいな戦きだ。

ぼくの心は瞬間打ち震え、君の、花がほころぶような笑顔が焼き付き、「え?何で笑うの?…」
笑ってくれるの?…って泣き笑いする。


瞬間の想像はぼくの中に生まれ、心を焦げつかせて、君が大好きだった事を甦らせた。



…おかえり、ぼく。
ちょっと、びっくりしたね…?



8/19/2024, 10:25:02 AM