soumatou

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10/27/2025, 2:36:58 AM

終わらない問い


ねえあなたはどうしたいの?って聞かれる度に言葉を詰まらせてしまう
自分の考えが他人の感情の波に呑まれてしまう


幼児期
おしゃべりで陽気快活な子が
無口で臆病内気な子に一変したらしい
きっかけはわからないが躾だったのかもって
虎と翼を観ていて思い当たった 例の「スン」
女は黙って従順にが父の理想で田舎の風潮

以来
内気なその子はだれとも摩擦を起こさない様に
傷つけない様に
傷つかない様に
当たり障りのない言葉を選んで生きて来た
八方美人のいい人を演じたつもりはない
けれど自分の感情を見失ったままでいたつけが
今の自分だ


終活の年齢に近づいて気づいた事がある
自分の言葉は差出人や宛先がない手紙の様だって…肝心なところが抜けてしまっているから
人となりが見えない空虚なんだと

虚しさの中で孫に出会った 
3歳5歳7歳…一緒に過ごすうち
終わらない問いに光が差して来たのを感じる
自分の知らない陽気快活なエネルギーが内から溢れ出し別人のように振る舞える瞬間がある
彼女と無邪気さを共有するのは愉快でたまらない 人生捨てたもんじゃない
解放された幼児の自分に問うてみる
欲しかった言葉眼差しが返ってくる
うんわかったよ、あなたに会えて良かった
またお話ししてね…

欲しかった言葉を一つ二つと口にしてみる
失敗したっていいんだよ頑張ったね
がまんしないでもっと泣いちゃいな
1番大好きだよー…

10/25/2025, 11:41:14 PM

揺れる羽根


ドリームキャッチャー越しの朝日が眩しい

フッとひと息 揺れる羽根飾り

暖かな陽射しと冷えた大気が悪夢を祓う


さあ一日を始めよう
人は皆幸せになるために生きているんだ

今度は3秒フーと長く吹きかける
フワフワの羽根が舞い上がるのを
飛び立つのを見届けたら私の禊ぎは終わり

うん、今朝は上々
揺れる羽根が高く上がった

10/24/2025, 1:13:22 PM

秘密の箱

それは玉手箱
昔話の世界がそのまちには存在していた

浦島太郎は竜宮城が恋しくて
玉手箱を開けちゃうんだ
そしたら中から煙が出て来て
あっという間におじいちゃんになっちゃった
そして立ち上った煙が紫色した雲になってあのお山にかかったんだとさ

乙姫様からもらった宝物は?
煙と一緒にあのお山に飛んでった?
いやいや玉手箱はカラクリ箱で
本当の宝の密書は箱に残っていたんだよ

それとも知らず太郎は竜宮城へ帰れない老いた身で募る彼の地への思いを来る日も来る日も
綴り書きためた
そして命を終える前に数え切れない文を空っぽの玉手箱に入れ固く結んで海辺に埋めた
それこそが乙姫様への竜宮への愛の証
奇しくも密書にあった宝を手にする方法だったのだ
そして意図せず太郎が呼び寄せた宝物が土地の人々に多くの幸せをもたらし続ける事になる

この玉手箱が埋められた場所は箱と呼ばれた
漁が盛んで災害もなく穏やかな村だった
ここでは不思議な事に100年に一人スピリチュアルな女の子が生まれ乙姫の生まれ変わりとして村を更に豊かに平和にしたという

もう話してもいいだろう
今私の面前にいる彼女こそがそのひとだ
慈悲深い優しい囁きと微笑みを持つ人
海の宮の力を受け継ぐもの
あなたはふるさとの宝だ
秘密の箱にはあなたの名が刻まれているはず
だから…
なんでわかるのかって
その理由を知りたいのね
あのね我が家は龍宮の遣いの末裔なの
私は姫の眷属の任務を負って生を受けている
この世ではあなたの幼馴染として付かず離れず見守っているのよ
だから…帰って一緒にふるさとへ
もう直ぐあなたの力が必要になる

10/24/2025, 9:48:28 AM

無人島に行くなら

いろんな知り合いに一緒に行こうって声かける
誰が来るかはお楽しみ
誰が何を持ち込むのかもわからない
予想できない未来…
無人島の景色が一変するかもって想像するだけでワクワクする
こんなゲームあったような…

10/23/2025, 9:59:45 AM

秋風🍂

センチメンタルとは無縁の母が
この時期によく言っていた
よぎたが吹くと訳もなくもの悲しくなる…と

毎年季節の便りのように
聞いた晩秋に吹く風の呼び名
方言だったのかもしれない

秋風に寂しさを感じてしまうのは
母の口癖のせい?
それとも
彼女に寄り添わずにきた後悔かしら

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