soumatou

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終わらない問い


ねえあなたはどうしたいの?って聞かれる度に言葉を詰まらせてしまう
自分の考えが他人の感情の波に呑まれてしまう


幼児期
おしゃべりで陽気快活な子が
無口で臆病内気な子に一変したらしい
きっかけはわからないが躾だったのかもって
虎と翼を観ていて思い当たった 例の「スン」
女は黙って従順にが父の理想で田舎の風潮

以来
内気なその子はだれとも摩擦を起こさない様に
傷つけない様に
傷つかない様に
当たり障りのない言葉を選んで生きて来た
八方美人のいい人を演じたつもりはない
けれど自分の感情を見失ったままでいたつけが
今の自分だ


終活の年齢に近づいて気づいた事がある
自分の言葉は差出人や宛先がない手紙の様だって…肝心なところが抜けてしまっているから
人となりが見えない空虚なんだと

虚しさの中で孫に出会った 
3歳5歳7歳…一緒に過ごすうち
終わらない問いに光が差して来たのを感じる
自分の知らない陽気快活なエネルギーが内から溢れ出し別人のように振る舞える瞬間がある
彼女と無邪気さを共有するのは愉快でたまらない 人生捨てたもんじゃない
解放された幼児の自分に問うてみる
欲しかった言葉眼差しが返ってくる
うんわかったよ、あなたに会えて良かった
またお話ししてね…

欲しかった言葉を一つ二つと口にしてみる
失敗したっていいんだよ頑張ったね
がまんしないでもっと泣いちゃいな
1番大好きだよー…

10/27/2025, 2:36:58 AM