新しい地図
白地図って覚えてる?
薄っすら輪郭だけが書いてあるあれね
なんだか先生の裏の意図を読んだ者勝ちって感じが嫌いだった
一見自由度がありそうに見えて
その向こうに答えが用意されてる…..
型に入れられるのが嫌いな自分に潜む天邪鬼がこんな時には顔を出してくる
こんな弱気な破線なんて無視しちゃえって
思いのままに型を破って 自分を表現してみろ
あの頃の世間には発想の豊かさの評価なんてなく まずは常識が最優先で
生徒の枠からはみ出ることはできなかった
今なら
自身の経験に物言わせ自分で考え
体験と感情を盛り込んだ新しい地図が幾つも描けるんだけどね
これが大人になったってこと
桜
桜を見ると頭に浮かぶ文章がある
国語で暗唱させられたんじゃないかな
半世紀前の国語では教科書の一文を暗記する宿題が常で それは楽勝かなり得意だった
困るのは教室で指されてそれを披露する時….
緊張が先立ちしどろもどろで終わってしまう
家ではスラスラ気持ちよく唱えられていても
人前ではそれが出来ない
得意と苦手が背中合わせ
年月を経るほどに味わい深くなるこの詩
昨日は千鳥ヶ淵の桜並木で唱えたよ
やっぱり心の中で 変わらないなあ私
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「花ふぶき」阪本越郎
さくらの花の散る下に、小さな屋根の駅がある.
白い花びらは散りかかり、駅の中は、花びらでいっぱい
花びらは、男の子のぼうしにも、せおった荷物の上にも来てとまる。
この村のさくらの花びらをつけたまま、遠くの町へ行く子もあるんだな。
待合室のベンチの上にも、白い花びらは散りかかり、
旅人は、花びらの上にこしかけて、春の山脈をながめている。
ルビー婚記念に
君との年表
見える化したよ
ねえ何か気づかない?
旅行の数すごいだろ
旅には音楽が欠かせないと君が言うから
それぞれお気に入りのカセットテープやCDを
車に持ち込んで…….あの昭和感懐かしいなぁ
あっSONGSに高橋真梨子が出てる
旅のお供と言えば彼女
大好きな彼女の曲ばっかりレンタルして
一日中聴いてた旅 あれどこだった?
南房総よ 網元の宿に行って魚食うぞーって
そう誕生日祝いで真梨子旅OKしたんだよ
家族旅行は子供達チョイスで
アニソンだったりJpopだったり
まあいろんな事思い出すね
音が旅の思い出をつくる
実感を伴ういい言葉だよ
君といつまでも
いられないだろうけど
音楽は最期まで
二人の人生旅のよすがになってくれるはず
ここは沖縄西表 ネイチャーを感じるぅー
sup の立ち漕ぎにも慣れたし一安心
この辺でちょっとリラックスタイム
ボードに仰向けで寝そべると
景色が一変した
サングラスをずらして覗き見る
わー ぬけるような青空が広がっている
自然と一体化する感じ これこれ最高の贅沢
川面をゆらゆらプカプカ
ガガガ….突如ボードの底から鈍い音がしてきた
慌てて上半身を起こした途端
左右にグラグラっと来てそのままバシャン
誰か助けてー パドルはどこ?
慌てふためき手探りで水面をかく
掴んだのは何とマングローブの根
えっ やおら上半身を起こすとボードが林の浅瀬に乗り上げている
川底に尻もちをついたまま
空に向かってジタバタして
一人芝居状態だった?
ゴキちゃん役の私めがけてクモの糸が…..否否
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いやー思い込みは怖いね
川の真ん中を悠然と流れていたつもりだったから ハプニングに溺れるんだスイッチが作動したんだね
そしたら身体が勝手にこわばっちゃうつまりは理性でコントロールできなくなるんだよ人は
そう言えば子供の頃海で溺れかけたことがあったっけ 足がつって海の深みに引き摺り込まれるようなあの恐怖を身体が覚えていたのかも
思い込みとトラウマには御用心ください
「はじめまして」
切れ長の目にキリリとした眉
見るからにしっかり者って感じの女の子から
挨拶をされた
へえ〜こういうタイプの子が好きなんだと
あいさつもそこそこに見入ってしまったのは
息子が結婚相手を連れてきた日のこと
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彼が女の子を紹介したのはこれが初めてで
それまでそんな話題も聞いた覚えがない
いろんなステップすっ飛ばし
いきなりお嫁さん(数ヶ月後には)とのご対面だからね
キツネにつままれた感は当然でしょう
性格も家庭環境も何もサッパリわからないまま
よく言えばまっさらの先入観なしで彼女に出会った
息子が自信たっぷりの直球を投げて来たって感じかな
男の子って用件しか言わないから
『今度会ってね じゃあ……」ってことで
迎えた日 本当にはじめまして気分だったわ
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この10年 思いもよらない苦難もあったけど
貴方の覚悟と決断力が皆の指針になった
今では褒め言葉しか浮かばないほど家族全員が貴方にぞっこん
息子よ でかした
そしてあの日君の球をかわさず
見事受け止めた私達もナイスだったんじゃない
初々しく歯切れ良い はじめましての子は
我が家の宝物になったよ
何が起きても明るい方へ舵をとってくれる人
たまには甘えてくださいな
くれぐれも身体を大切にね