lapis lazuli

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10/16/2022, 11:58:58 PM

いえにかえると

つくえのうえに

なにかがあった


めをこらすと

それは

ひとのかおだった


めと はなと くち

それにみみもあって

うぶげもはえていた

でも まゆげとまつげと

かみのけがない

それは こちらをじっとみていたが

わたしではなく

わたしのむこうの なにかを

みつめている ようだった

どのくらい そうしていただろう

きづけば

つきの

やわらかなひかりが

まどから はいって

そのかおを てらした

そのかおは

かつてのわたしが ころした

わたしじしんだった


やわらかな ひかりに

てらされて

それはすこしずつ

とけていった

そして

あさにはもう

きえてなくなってしまった









10/15/2022, 12:38:55 PM

Rちゃんは

ひどくいじめられていた

ちょっと 言いかたが きついからかも

かおのほくろが へんなところにあるからかも

くつひもがうまく むすべないからかも

しれないけど

クラスのみんなが

いじめを見ないふりをした

せんせいは気づかなかった

せんせいというのは

いじめに1ばん 最後に気づくものだとおもう

でも ある日

あのことがあってから

Rちゃんを いじめてた子たちが 全員

学校をやすんだ

2しゅう間くらい してから

学校に来たときは

みんな べつの子だった

なんだか 顔とからだは おなじなんだけど

なかみ がちがうのかな

よくわかんないけど

でもそれで いじめはなくなった

あの日の

Rちゃんの 鋭い目つき

わたし 一生わすれないとおもう

なんか のろい みたいなの

かけたのかなあ

……よくわかんないけど……

いじめてた子たちの なかみはね

このまえ しらないおじさんが

かついで あるいてたよ

見ないふり しといた

だってこわいから





めいっこ のはなしてくれたことです

これをきいてから わたしは

よる かならず いっかいは

おきてしまいます

ほんとうかどうかは

よくわかんないけど……











10/14/2022, 12:03:40 PM

一体 今何階だろう

喉が渇いた

お腹はあまり減っていない

もう何段踏んだだろう

いつまで上ればいいんだろう

駄目だ

少し立ち止まるとすぐに

あの子のことを思い出してしまう

あの子が悪いんだよ

僕以外の男と付き合うから

ちょっと締めただけなんだ

なのに動かなくなってさ

動かなくなっても

なんだか僕を見下してる顔してたから

腹が立って

顔も剥いでおいた

今頃警察が来ているかな

でも僕は

刑務所になんか入る気はないよ

逃げ切ってやるんだ

だからさっきから

この高層マンション上ってるんだよ

高く高く

高く高く

逃げ切ってやるんだから

…でも一体…

…何階まであるんだろう…

しかも住人に全く遭わない

まあ 顔は見られない方が

好都合なんだけどさ

それにしても

喉が渇いたなぁ

いつまで上ればいいんだろう

一体今何階だろう

喉が渇いた

さっきも考えたかな

そんなことないな

もしかして地獄に向かってるのかな

まさか

地獄は下にあるんだもんね

僕は上にのぼってるんだ

それに悪いことはしてない

悪いのはあの子なんだから

高く高く

高く高く

逃げ切ってやる

今一体何階だろう

さっきも考えたかなこれ

喉が渇いたなぁ








10/11/2022, 12:58:01 PM

昨日 

魚人を釣った

ぴちぴち跳ねて 煩かったので

今日 捌いてみた

思ったより

簡単に捌けてしまったけれど

食べられる部分がなさそうだった

部屋をウロウロして

散々煙草をふかして

迷ったあげく

カーテンにくるんだ

明日は粗大ゴミの日だから

丸ごと捨ててしまおう

キッチンに行って

包丁を丁寧に洗った

その包丁で

冷蔵庫にあった グレープフルーツを

半分に切って 

スプーンでくり抜いて食べた

食べながら

魚人を捌いた感触を 頭の中で擦った



…なんだか 
       癖になっちゃいそうだ…



また釣りに誘われたら 行くことにしよう

でもその前に

「カーテンを買わなきゃならない」

頭の中の言葉を

思わず口に出してしまった

明日は忙しくなりそうだ

部屋はグレープフルーツの臭いと

魚人の匂いがまざって 生臭い

ベランダに出ると

月が満月だった










10/7/2022, 8:23:01 PM

ちからをこめて

いとをひっぱった

それは かみのけだった


ちからをこめて

ぼうをひっぱった

それは ほねだった


ちからをこめて

かたまりをひっぱった

それは わたしじしんだった







わたしは うめられていたのだ








なにがあったんだっけ

だれがわたしを

ころして

うめたんだっけ




もう わすれたい

わたしを うめたひとのこと




しあわせに やってるそうです








わすれられないのは

わたしが ほねになってしまったから

でしょうか








だから 

ちからをこめて

あなを うめます

つぎのいっぽが

ふめる ように












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