いえにかえると
つくえのうえに
なにかがあった
めをこらすと
それは
ひとのかおだった
めと はなと くち
それにみみもあって
うぶげもはえていた
でも まゆげとまつげと
かみのけがない
それは こちらをじっとみていたが
わたしではなく
わたしのむこうの なにかを
みつめている ようだった
どのくらい そうしていただろう
きづけば
つきの
やわらかなひかりが
まどから はいって
そのかおを てらした
そのかおは
かつてのわたしが ころした
わたしじしんだった
やわらかな ひかりに
てらされて
それはすこしずつ
とけていった
そして
あさにはもう
きえてなくなってしまった
10/16/2022, 11:58:58 PM