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1/14/2025, 3:37:54 AM

【まだ見ぬ景色】


人との出会いはそういうものだと、
最近やっとわかった
もっと大きくいえば、人生ってそういうものだと

誰も彼もそんなふうに語っていたし、
世間も歌っていたし、説いていたけど
やっぱ自分で経験しないことには
そんで経験したあとで言えることは
やっぱりそんなかんじになるんだなって
常套句って、すごいな

きっとその言葉から想像するほどいいものではないけど、警戒するほど悪くもないよ
きっとぶあつい壁を通るあいだにも、ちょっと
怖気づくほどの景色があるけど
それもおそらくまた初めて見る景色で
そこまで行っても、具体的ななにかを
まだ見ぬ景色の完成形として描くなら、
会いたい景色がはっきりとあるのなら、
それに出会うまで行こうか、どこまでも

1/9/2025, 2:15:19 PM

【星のかけら】


没入体験というのが、いっとき話題でしたね
今もでしょうか 恥ずかしながら流行には疎くて
小学校のグラウンドに寝転んで、夜空を眺めたことがあります
田舎なので街のあかりはほとんどなく、
住宅のあかりだけが眼下にちらちらと見える程度
よく晴れた夏の夜でした

流星群が見られるというので、知人と、いくつかの人影にまぎれてやって来たのです
見上げた空間に無数の光る点々
大きいもの、小さいもの、集まって大きく見えるもの、ぼんやり雲のように光るもの
夜空という天井にそれらが貼り付いているわけではないことを、大人である私は知っていました
ずっとずっと遠く、気が遠くなるほど遠くに、あの点はある、こんなにもたくさん
永遠に手が届かない場所、巨大な恒星、
暗闇の中でそんな途方もない事実に思いを馳せると、
まるで空に落ちていくようでした
寝転んでいたので、足の裏が地面から離れていたからでしょうね
でもあれは、浪漫とかではなく、恐怖です
もちろん没入でもない
小さすぎる自分とこの星の歴史を想像して、
漠然とした、それでいて深い、逃げられない大きな静寂に慄きました
まだその事実を知らない我が子が、羨ましくなりました

1/9/2025, 3:19:33 AM

【Ring Ring...】


もしもしおかあさん、という絵本を読んで、
かなしくてかなしくて泣いた幼い頃の記憶
りーん、りーんとなるダイヤル式の黒電話の
あのお話も冬だったかな、
こんなふうに雪のちらつく季節だったような

そういえば、
夫の映像に音楽をつけてパロディ風に編集したものを
息子に見せたところ、
大いに泣かせてしまったことがあった
かなしいからみたくないと泣きながら逃げていった
我が家は泣き虫のようだ

1/7/2025, 3:20:25 AM

【きみといっしょに】


挫折を経験したことはあるか
負けたとか思わなかったのですか
自暴自棄ってなったことない?

ぜんぶある。
たぶん、もちろん、ぜんぶある。
ぜんぶあるけど…
挫折も、敗北も、脱落も、失敗も、否定も、軽視も
「じゃないほう」になったこともたくさんあるけど、
いまはまだ途中だから、
済印を押すっていうのか、経験済みっていっていいのかまだわからないな。
若い頃はひとつひとつに傷ついて、それを隠さないといけなくて、立ち向かわないといけなくて
だけどそれこそが輝いている理由だって、今ならわかる

途中じゃないことなんてありえない
数十年あと、いつか私の命がおわるときには
なんだかそんなことぜんぶ忘れてるような気もするし
肉と果物は腐りかけが美味しいっていうし
時間だけが解決してくれることもあるって知ってるし
今日もうさぎはかわいいし5年前もかわいかったし

その時間の流れや心の変化を、ちゃっかり見つけて笑い合えることが、お互いを愛させるんだ

1/5/2025, 11:43:36 AM

【冬晴れ】


きんと澄んだ空気に、透き通ったうす水色の空
日差しもあたたかく感じたりなんかして

白い点々を描いたようなナンキンハゼの枝に
ヒヨドリが停まって機嫌よさそうに鳴く
山肌に沿って広がる住宅にも、
何年かあとの君の耳にも、きっと届く

あぁ、いい天気だなぁ

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