星が溢れる
日中の熱がまだ残って私の体を熱くする。
静かになった花火の燃えかすが月に照らされている。
私の心は迷宮のように絡み合っていた。
あなたは今どんな気持ちで私と夜空を眺めているのだろう。
カラーコンタクトで大きくした黒目は何を映しているのか。
あなたが波へと叫んだ言葉は波には攫われていかなかった。
私の心の中に澱のように沈み、純粋だった心を濁らせた。
私にはこの言葉をどのように吐き出せばいいかわからなかった。
思い出せない言葉のように喉につっかえた一言は、波に攫われるのかな。
あなたの心を砕く言葉にならないかな。
迷宮の出口を探すように何度も考えを巡らせる。
永い沈黙が続いた。
私が顔を上げるとあなたは涙を流していた。
むせ返るほどの生を実感した。
私たちは愛の中に生きている。
あなたは私がいなくても生きていける。それなのに私を必要とする。
私もあなたがいなくても生きていける。だから、あなたを必要としない。
でも、必要になるはずだと思えた。
絡みあった思考が解けた。
私はぽつりと「美しい言葉だね」と言ってみた。
空には溢れたように星だけが光っていた。
安らかな瞳
もうすぐ目的の場所についてしまう。
あなたとはもう別れなくてはいけなくなる。
夜はさらに更けていくのに、君は帰ってしまう。
なぜと問うてもあなたは微笑を浮かべ答えない。
こんな魅力的な人ともっと早くに出会えていたらと言っても君はありがとうとしか言わない。
これ以上離れて行ってほしくないと思っても僕には言えない。
雨の夜、君はこれからアイツに会いに行くんでしょ。
どっちが本命かなんてわかっている。
だから、「彼氏いないの?」なんて聞かない。
君のために用意したレストランも夜景の見えるスポットも全部アイツとの話題に焚べるんだろうね。そして、二人で仲良く僕のいないところでクスクス笑っているんでしょ。
もう会えなくなるなら最後に一言聞かせて。
君の安らかな瞳が写しているのは誰?
ずっと隣で
君とずっと一緒にいたい。
影のように君にいつまでもくっついて生きていたい。
下らない話をして笑いあっていようよ。
時には喧嘩もしちゃったりしてもいいんじゃないかな。
僕の悪いところとか自分の悪かったところ、言いたいことを全部吐き出して、涙流して、そしたら僕が仲直りを提案するから。優しく抱き締めて仲直りしようよ。
季節が変わったら、いろんな所へ出掛けようよ。
春には花見をして、夏には海で涼しくなって。
秋には美味しいもの食べて、少し太っちゃうのもいいね。
冬にはイルミネーションを見て、紅白見てまた新しい一年を一緒に過ごす約束を結ぼう。永い夜は二人で朝を待とう。
僕の一生分の好きをあなたへ毎日少しずつ贈るから。
君が遠くに行ってしまってもこの気持ちが変わることはないだろうね。
どんなものも時の流れで変わってしまうけど、きっと君へと気持ちは永遠なんだろうね。
約束するよ、ずっとあなたの隣にいるって
あなたはずっと隣にいるって約束したのに……
あなたは其方に行きたくなかったでしょう
私があなたを惜しむ間もなく離れてしまうなんて
変わらず私はあなたを想って生きているよ。
あなたがずっと隣で笑っているだろうから。
もっと知りたい
あなたのことを余すことなく知っておきたい。
好きなものから元恋人が何人いたかまで。
あなたの何もかもを私が知っていたい。
だって、あなたのことを知っていればあなたを常に幸せで いっぱいにできるでしょ?
私はあなたの喜ぶことをしたい。
二人で幸せになりたい。
いつかあなたがそばからいなくなって、あなたの好きなものが私の嫌いなものになっても。
あなたを知りたい。
あなたが嬉しそうに話したエピソードが私の日々を苦しくさせても。
あなたの全てを知りたい。
あなたがいなくなっても、あなたの情報は一生涯覚えておくよ。昨日よりも今日。
あなたをもっと知りたい。
平穏な日常
穏やかな午後。あなたのことを考えながら微睡む。
漂う意識の中であなたに出会った。
しなやかに伸びた黒髪に誘われた。
現実ではないとわかっていてもあなたに惹かれてしまった。
忘れようと努めても忘れられなかった思い出。
底が見えないほどの青さの海。
あなたのはしゃぐ姿が映えて眩しかった。
水平線へと沈む夕焼けに照らされたあなたの赤く火照った横顔。
時の流れに抗うようにあの日へ還りたい。
喧嘩もしたし、仲直りもした。
お出かけもしたし、家でゴロゴロもした。
あの頃に戻れれば、今みたいにあなたを失わずにいられたのだろうか。
「運命」なんてあなたは笑っていたけど、そんなものに従いたくなかったでしょう?
僕の前から消えても僕の中からは消え去ってほしくない。
夢で会えればいい。無意識な時に逢えるだけでいい。
もう一度だけ二人であの頃を過ごそうよ。
波乱万丈とは程遠い平穏な日常を。