『友達』
この時代、友達と言う言葉は
直接会って関わりのある人間関係だけを示す言葉ではない
と僕は思う。
僕にとって実際に会って関わりあった人達は
イジメをしたり見過ごしたりそんな現実ばかりだ。
だけど今はネットが普及しネットの友達…ネッ友がいる。
名前も顔も分からない。
声からの情報しか相手の事は分からない。
けど僕はネッ友に救いを求めてしまっていた。
大人になってから友達の作り方なんて分からないと思って
いたが、ネッ友なら趣味や共通の話題で盛り上がって
気がついたら通話なんてしてる仲になっている。
その分少しのいざこざでスグに関係が崩れる事も…
僕には数年の付き合いのネッ友がいる。その人達には
何回も助けられ今の僕がいる。
この先もこの人達と今の関係を続けられたら良いな…
『行かないで』
物心着いた時にはずっと同じ時間を過ごしていた。
小学校もずっと同じクラスだった。
中学で少し変化があった。
クラスの数が増え、初めてクラスが別になった。
悲しくて最初の夜はベッドの中で泣きじゃくった。
そうして数日会えない日が続き、
やっと後ろ姿を見かけた時一瞬喜びの感情が湧き上がった。
しかし、その周りを見てあぁもう友達がいるんだなと
絶望した。
私と2人で過ごしてる時間が溶けていくような
恐怖に包まれた。
私と彼女の2人だけの時間が遠くへ言ってしまうようだった
どうか私の事を置いて行かないで…
『どこまでも続く青い空』
今日は晴れ!
の予報だったのに期待を裏切るような厚い雲。
昨日から楽しみにしていた散歩を台無しにされた気分だ。
だが私は考えた。持ち前の晴れ女を今見せてやると。
傘も持たず、私は家を飛び出した。
曇り空の中散歩をしている人も一定数居るんだなと、
今日来ていなかったら知らなかっただろう。
曇り空の方が気温は涼しくて歩きやすいと言うのは感じた。
しかし私は晴天の中歩きたいのだ!
そう思いながら、少し高い山とは呼べない丘へ来た。
周りには誰も居ない事を確認し私は大きく息を吸った。
「おテントさんの恥ずかしがり屋〜!!!」
私の声は大きく響いた。少し恥ずかしかったが次の瞬間、
少しずつ厚い雲の隙間から光が刺し、
しまいには雲ひとつ無い青い空が広がった。
コレだ!コレを私は見たかったのだ!
空のどこを見渡しても青く広がり太陽だけが主張する空!
私はまた大きく息を吸い込み、
「おテントさんありがとう〜!!!」
と叫ぶと青い空の端まで届いた様な感覚になった。
私はこのどこまでも続く青い空の下サンドイッチを食べ
少し居眠りをしてから帰宅した。
『始まりはいつも』
私はいつも兄の真似をして色々なことをしていた。
勉強や遊び、習い事…
兄はいつも成績を残し、両親から褒められていた。
私はそれに習って努力して何度も復習をしていた。
なのに成績はいつも真ん中。
両親は「お兄ちゃんは成績優秀なのにね」と
哀れみの目で私の事を見下していた。
私はそれが悔しくてその度にもっと頑張らなければと
努力を続けた。
月日を重ね兄が一人暮らしをする事になった。
私は絶望した。目標の人が家から居なくなってしまう。
兄は「大丈夫、連絡するから」と笑っていた。
私は最後はと笑顔で家から出る兄を見送った。
私は無気力になってしまい、そんな私を両親は
目にも入れたくないと無視するようになった。
私の始まりはいつも兄だった。
私はこれからどうすればいいのだろう…
『忘れたくても忘れられない』
何気ない日常、そんな日々の中。
思い出してしまう。
学生の時クラス全体から無視や罵倒。
教科書にめいいっぱいに書かれた悪口。
その記憶がまるで昨日の事のように思い出す。
ハッとなり時々心臓がうるさいくらい止まらない。
きっとクラスメイトはそんなことすら…いや。
私のことすら覚えていないのだろう。
私は忘れたくても忘れられないのに。
今日もまた眠れない夜を過ごす。