夢見桜

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4/15/2023, 12:23:51 PM

「届かぬ思い」

こう聞いて、お前はどう思うのか?
___俺は、昔の仲間を思い出す。

これは、10年位前、小学生の時だった……。
あの時、先生の言った言葉…。

『こっちだ!!こっちに避難しろ!!』

あの日、大地震が起きた。
津波から避難する時、俺は最後尾。
恐らく存在感が無かったから、先生も先に行っちまったんだろう。
俺は、分かれ道の時。皆とは、別の所を選んだ。
その先は山。___大人は熊だなんだ、気にしてたのかも知れねえ。
無我夢中で走った。皆を探して走った。
たどり着いたのは山頂。皆の居る塔を見下ろせる。
俺は、上から下の悲鳴、阿鼻叫喚を聞いていた。
その中に、仲良しの人も……

何度も叫んだ。喉が枯れるまで叫んだ。
俺が居るということだけでも、気づいて欲しかった。
____その声は、雑音となり消えた。


自然の猛攻が終わった後。
下には死骸とガラクタと引っこ抜けた植物しか見えない。
あぁ、これからどうしようか。辺りは草、木、雨風を凌げそうな穴ぐらいしかない。
幸いにも、果物とかはあったからどうにかなった。


___あの時の、仲間達の苦しそうな声。
____今も、目の前に居るように感じる。

__居るん、だろ……?なぁ……。

『届かぬ思い』

4/14/2023, 10:40:22 AM

私は、この世界の神様に言いたい。

どうしてこの世は不平等なんですか?

どうして悪い人間を作ったんですか?

そもそも、どうしてこんな世界、作ったんですか?

___と思っている私を見て、笑っていますか?

そもそも、私らが神様に容易く会える訳ない。

……まあ、いつか会った時のために考えとこ。
どうせいないだろうけど、ね。

『神様へ』

4/13/2023, 10:28:29 AM

休日。
母さんの料理の副産物であろう騒音と、カーテンの隙間の日差しで目覚める、
心地……良いとは言い難い朝。
とりあえずカーテンを開ける。眩しい光が目に飛び込む。
空は自分の部屋の壁紙のように真っ青。
スマホを開く。7時らしい。
電気もつけていない部屋を後に、リビングへ向かう。

「おはよう~。」
「あら、休日なのに随分早起きね?」
「料理の音がうるさかった。」
「ごめん」
「まあ、母さんの飯は旨いからね。…で、今日何作ったの?」
テーブルの上の朝飯を見ながら、椅子に座る。
「言わなくても机の上にあるでしょ。」
「あー、私の好きなチャーハンだ。今日ってなんかの日だっけ?」
「気分☆まぁとっとと食ってゲームでもしなさい、引きこもり。」
余計なことを言ったな?と思いつつ、箸を手に持つ。
「じゃ、いただきます。あと、今日はさすがに外に出るよ?」
「昨日もそう言ってたけど外出なかったわよね?」
「天気良いし暇だし出るよ?」
「……まさか私の子じゃない!?」
「一応母さんの子だけど?私が言うのもなんだけど、ご飯冷めるよ。」
…と、そんな話をしながら飯を平らげる。

「行ってきまーす!!」
「行ってらっしぇー!!」
手ぶらで外に出る。風が気持ちいい。
……何も考えず出てきたけど、どうしよ…。
……よし、とりあえずそこら辺の公園にでも行こう。

公園についた。未だ、空は気持ち悪いほど晴れている。
とりあえずベンチに座る。遊具で遊ぶ子供達を片目に、空を眺める。

………外出て良かった。特に良いことなど無かったが、そう思った。

『快晴』

4/12/2023, 1:56:08 AM

入学式。
今日から中学生だ。
でも……昔っからコミュ障でぼっちだ。
友達なんてどうせできない。
まあ、友達なんて必要ない。
一人の方が気楽な時もある。
というか、その方が多い。
人付き合いはめんどくさい。
どうでもいい話でもちゃんと聞かなきゃいけない。
その癖こっちの話は聞かない。
それに話せることもない。
言葉にしたくない。引きこもっている休日がずっと続けば良い。

……皆がうるさすぎるから、私は一人でひっそり暮らしたい。
なのに世間はあーだのこーだの、偏った考えを言う。

『友達は作った方が良い』
『引きこもっていてはダメだ』
『困っているなら相談しろ』

うるさい。いや、うるせえよ。
友達はいなくても幸せ。
引きこもりだけど家で最低限運動するし、日光も浴びている。
それに栄養も不足しないよう、バランス良く食べている。
相談しろっていうのがうるさくて困る。
でも……それを言葉にできない。
後先を考えずにぺちゃくちゃ喋れりゃ楽なんだろう。
行動力なんて外で出せない。家でゲームする行動力はあるのに。

……あーもう!めんどくさいから帰ったら寝よう!!

『言葉にできない』

4/11/2023, 7:10:59 AM

「…ふわぁ……朝かぁ…。」
目が覚める。
「スマホスマホ…っと…5時!?」
普段は7時起き。それも、学校にギリギリ間に合うくらい遅い。
二度寝をしようか迷ったが、カーテンを開けて外を見た時、

「…わぁ……!」

町の少し暗い空を覆うような、満開の桜。
……今日も引きこもろうと思っていたけど、花見に行こうかな。

……でもやっぱ、二度寝の魅力には勝てない!おやすみ!

『春爛漫』

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