6/12/2024, 11:59:11 AM
【好き嫌い_すききらい_】
それはわたしがわたしでいるうえでの
ディティールである。
いわばわたしを構成する成分だろう。
わたしの全部だった。
本気で、貴方しかいないって思った。
どこまでも、どこまでも盲目的に。
今もこころのいちばんやわらかいところに、
住みついて離れてくれやしないみたいだ。
あの子のことが、だいすきでだいきらいだ。
6/2/2024, 12:18:08 PM
自分の「好き」に正直になって、
わたしがわたしを愛してあげられたのなら、
どれだけよかっただろう。
わたしはわたしを肯定できない。
それはわたしのすきなものを肯定できないのと同じだ。
道端で見かけた可愛い猫さんも。
いつもよりちょっと上手くいったメイクも。
幸せを願ったあの子のことも。
わたしを愛してくれた声すらも。
すきだって言わなかった。
言えなかった。
正直に、なれなかった。
そうやって嘘を積み重ねた。
愛さないまま、愛せないまま。
わたしは今日も嘘で枕を濡らす。
6/2/2024, 7:00:36 AM
雨の音、随分と退廃した街。
ここにはもう、少しの執着以外残っていない。
全部なくなったそのあとは、わたしに
何も与えてくれないことに気づいてしまった。
__ああ、満たされないな。
思考は深く深く沈んでいく。
滴る雫とガラス越しに見たきみの、
その憂いの表情がどうしようもなく愛しく感じられた。
その瞳のぜんぶが、わたしだけに縋ってくれたなら、
どれだけよかっただろう。
きみには幸福より、悲哀の方が綺麗に似合うと思う
わたしは、きっと薄汚れている。
「ねえ、さよならをしよう」
瞼を閉じる。
いま、雨粒がおちた。