紫炉

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1/20/2024, 2:16:22 PM

『海の底』
沈んで、沈んで、海の底の奥深くまで沈んでいったこの思い。真っ暗な水底に埋まり、いつだって光は来ない。嗚呼、このままずっと埋まっていたら良かったのに。光など差し込んでこなければ、こんなに惨めな思いはしなくてすんだろうに。期待なんてしなければよかったのに。
期待したのは私だった。
この気持ちを知りたいと思ったのは私だった。
太陽に照らされたいと思ったのは私だった。
この身を焦がされたいと思ったのは私だった。
あなたが好きだったのは私では無かった。
どうか、誰か私に教えてください。あなたと、お姫様を祝福するための詞を。

1/19/2024, 2:15:57 PM

『君に会いたくて』

僕は遠く離れた地にいる君に会うために川を渡り、橋を渡って来た。君の喜ぶ顔が見たくて急いで来たというのに、君とくれば来て早々に帰れなんて言うんだから。酷いじゃないか。ここまで来るのに結構時間がかったんだよ?それに僕には君しかいないんだ。だからそんな風に言わないでおくれよ。
そんなに僕がこの場所に来る事か嫌だったの?……約束が違う?でも、だって…。ああ、分かったよ。

枕元で、みゃあと鳴く声がした。そうだった。僕には、僕達には、まだこいつがいるんだった。
重い身体を起こし、外の光が盛れるカーテンを開けた窓から見える空はよく晴れていた。まるで、何事も無かったかのように。

1/18/2024, 11:35:03 AM

『閉ざされた日記』
昨日は眠ってしまい一日分の日記を書きそびれてしまった。せっかく木枯らしという題で書こうと思っていたのだが。過ぎてしまったことを嘆いても仕方がない。
さて、今日は最後の日記だからシンプルに終わらそう。

私は妻を愛していた。だから、何人も殺してきた。穢れを知らぬ妻を守るためだ。仕方がないと思っていたが、君は全て知っていたんだな。この日記を見つけた時はびっくりしたよ。まさか僕のやっていることを知っていたなんてな。負担に思ったろうに。本当に済まなかった。

長々書いていたがこれで終わりだ。
今度こそ誰にも見つからないよう金庫に閉まっておいた。何せ、僕と君だけの秘密の日記だからな。
さらばだ。もう開くことの無い日記よ。
𝑒𝑛𝑑

1/17/2024, 9:26:34 AM

『美しい』
美しいものが好き。キラキラ光る宝石も、ツヤツヤした石も、雨が降ったあとの虹も。そんな綺麗で美しいものが好きなだけなのに人間達は僕を追い返そうとする。でもさ、、人間だって美しいものは欲しくなるでしょ?

最近カラスに装飾品を盗られる被害が相次いでいます。みなさんもぜひお気をつけください。

嫌なニュースだこと。私も取られないように気をつけておかなくちゃ。

1/15/2024, 1:25:36 PM

『この世界は』

残酷で、脆く暗い。それが私の世界だ。
いつまで経っても変わることがない。だけど、そんな世界にも一筋の光がある。その光こそが星屋ルナ、貴女だった。貴女の儚い光によって私は生かされている。実際に会うことも話すこともできないけれど、彼女は私の唯一の希望であり光だ。
この世界は残酷で、脆く暗い。それでも私は今日も生きている。

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