馬鹿野郎何が千年先だ。なら思い切って丁行くぞ。なにぃ?千年先もわからないのに丁なんて無理だぁ?わかっとるわ、だからだよ。無理と解るラインをあえてゴールにすんだよ。
なんでってそりょぁお前よぉくっそくだらねぇ法螺吹いてアングリさせてやんのよ。そんで無理だもう嫌だとべそかきながらやってったらよぉ、存外ゴールなんて通り越してるさ。知らねぇけどよぉ。ま、どうせだいっちょ行くぞ。
1000年先も
私を忘れないでという。
勿論だと笑いながらどこか他人事のように返事をした。
嘘つき。
忘れるのは私じゃない。貴女の方だ。
恨みがましい呪文が口をついて出そうになる。
お別れの品にと香水を送るのだ。勿忘草。
嫌いな香りじゃないはずだ。
実際につけてくれた時は安心した。気に入ったのかコロコロと笑う。
毎日つけるねと笑う君にほくそ笑む。
きっと香水が香るたびに君は私を思い出す。
勿忘草
まるでブランコだ。だが現状はとても芳しくない。
振り落とされないようにと手すりを強く握りしめる。揺れが収まる気配はない。それどころか橋の根元がギリギリとすり減っている。
このままいけば。
嫌な汗が首筋を伝う。
迷っている暇はない。
揺れ幅、感覚は覚えた。足を踏み締めタイミングを見計らう。
ブランコ
旅路の果て。
そう考えて到着した先は始まりの地だった。
てっきり知り合いのいない辺鄙な場所をなんとなく想像していた。いや、期待していた。
憧れていた。
だからこそ自分への失望感があった。
こんな場所ではないはずだ。果てというからのは。
行かなければ。
私は再び果てを目指すのだ。
あなたに届けたい。
だけどあなたは見ない。聞かない。受け取らない。
人が聞けばなんて冷淡なんだと言われるだろう。
だけどある種正解だ。気を持たせたくないなら徹底して拒否をする。
それでいい。でも心のどこかで、あなたが罪悪感から胸を痛めていればいいと願っているのだ。