私を忘れないでという。勿論だと笑いながらどこか他人事のように返事をした。嘘つき。忘れるのは私じゃない。貴女の方だ。恨みがましい呪文が口をついて出そうになる。お別れの品にと香水を送るのだ。勿忘草。嫌いな香りじゃないはずだ。実際につけてくれた時は安心した。気に入ったのかコロコロと笑う。毎日つけるねと笑う君にほくそ笑む。きっと香水が香るたびに君は私を思い出す。勿忘草
2/2/2024, 3:26:40 PM