奇跡的に撮れた片思いの相手とのツーショット。逆光になっていた。
思い切って頼んだだけにショックが大きい。写真の中の私はそんなことに気が付かず照れ笑いをしている。
ねえ私。逆光になってるからもう一度撮らせてもらいな。
そう念じても時間は戻らない。
あぁあ、どうして一度でもスマホをチェックしなかったのか。
私の中の勇気はもうすっからかんでもう一度お願いする勇気はない。
こう。いい感じの奇跡が起きないか。
足元に山があった。
座り込んでよくよく観察すればまごうことなき山だった。
そう。
地盤プレートがぶつかりあったりなんかして出来たその山だ。
木が多く生えておりよく見れば崖も小川もあった。よく見れば獣道まである。
壊すのが勿体無いと言う気持ちと潰したらどうなるのかと言う好奇心でせめぎ合う。そしてどう言うわけか壊すと言う選択肢を取っていた。
なんて夢を見たのだと母親に話したら「あんた子供の頃から砂の山作っては踏んで遊んでたわね」なんて笑う。
どうやら今も昔も変わらないらしい。
こんな夢をみた
タイムマシーンで未来か過去に行けるならどっちに行きたいか。
などと話していたら未来人と過去人がやってきた。
二人は私のことなど気にも留めずにそれぞれ好き勝手やり出した。いったい何をしているのかという疑問を他所に。
そしてそれは悪手だったのか最善だったのか。
わからないまま地面が割れ、それから。
目が覚めるとベッドの上だった。
……さて、何かとんでもないものを見た気がするが、なんだったろうか。わからないまま目覚ましを止めた。
タイムマシーン
特別な夜になる。
誰もの視線を集め、歓声を浴びて、拍手の海に溺れるのだと。
だけどそう思っていたのは私だけだった。
すでにこの夜の主役は決まった。決まってしまった。
主役の座は他の女のものになったのだ。
嫉妬に狂い歪みそうな頬を引き上げる。最後の矜持としてそれを許さない。
特別な夜
海の底へ招かれているかのように沈んでいく。
心を君に預けて。
それでいい。それ以上は求めない。
伝えるべきこと伝えたいことは全て伝えきっている。心残りはない。
戻ることのない私が君の心に永遠に残り続ける。
美しい姿で。
ああ。枯れない花が咲くが如く居座ることができる。