エグチーセット

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1/19/2024, 9:54:59 PM

空を眺め雲の流れを目で追えばふと心に過ぎる。
ああ、会いたいと。
君と会ったのは昨晩。
夕食のため夜風の中寄り添い歩いた。
今はその名残も遠い朝の中。君からの誘いで浮き足立つのを悟られていなかっただろうか。
まだ半日も経っていないのにもう恋しがっている自分に呆れるしかない。
控えなければ。
そう押さえながらも君に会いたくて口実を探している自分がいた。


君に会いたくて

1/18/2024, 4:10:48 PM

誰も私を見ないで。
何度願ったことか。毎日毎時間願っても誰も叶えてはくれない。
私は私の顔が嫌いだった。顔のパーツとなるもの一つ一つ。
だから整形について調べていっぱいお金を稼いだ。それだけでは幸せになれないと家から遠い場所で生きていく事を決めた。
家族はいい顔をしなかった。
それはそうだ。だが私の決意が硬いとわかるとそれ以上干渉することはなかった。
若干の罪悪感を追いやり飛び出した地での日々はそれらを忘れさせてくれるくらいに充実していた。
誰も私を知らない。誰も私を見ない。
程よい無関心は呼吸が楽だ。
モテるためにしたのではない。
関心を集めないための整形。
ここなら。
そう確信した私の日常は突如崩れた。
今年の新卒に、中学時代のクラスメイトがいた。



閉ざされた記憶があり

1/17/2024, 5:02:15 PM

木枯らしが足元の枯葉を押し除けたかと思えば新しく枯葉が運ばれてきた。
夕暮れ時のひんやりとした空気はより強くなり思わず身震いをしながら追いやられた枯葉を名残惜しげに追いかける。すると健気にも枯葉を連れ戻してきた。
結果最初の枯葉と運ばれてきた枯葉が足元に集った。
気のせいか暖かい気がしてきた。

1/16/2024, 5:01:26 PM

形のない実力に打ちひしがれた。
音楽の実力テスト。
自分の番を終えて後は同期の発表を待つだけとなった。その最中である。
一人の演奏に動揺を隠せないでいた。
あれは誰だ。こんな男がいたのか。
圧倒的な美しさはある種の暴力でもあった。もし自分がこの後で発表しろと言われたら。冷静になれただろうか。
私の気持ちを代弁するかのように何人かの演奏に乱れが生じた。


美しい

1/15/2024, 4:21:59 PM

恐ろしい。
何もかもを許容したかと思えば何もかもを否定する。
ただ漠然と我が身に起こった事を理解する。
順調に進めていた計画はいよいよ最終局面を迎えていた。
多少のイレギュラーやミスはあれど概ね順調でもはや失敗はありえないと計算が叩き出されていたにも関わらず。
ありえないと否定しながらやはりかと納得する。
この世界は我々を容認しつつ否定したのだ。




この世界は

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