エグチーセット

Open App

誰も私を見ないで。
何度願ったことか。毎日毎時間願っても誰も叶えてはくれない。
私は私の顔が嫌いだった。顔のパーツとなるもの一つ一つ。
だから整形について調べていっぱいお金を稼いだ。それだけでは幸せになれないと家から遠い場所で生きていく事を決めた。
家族はいい顔をしなかった。
それはそうだ。だが私の決意が硬いとわかるとそれ以上干渉することはなかった。
若干の罪悪感を追いやり飛び出した地での日々はそれらを忘れさせてくれるくらいに充実していた。
誰も私を知らない。誰も私を見ない。
程よい無関心は呼吸が楽だ。
モテるためにしたのではない。
関心を集めないための整形。
ここなら。
そう確信した私の日常は突如崩れた。
今年の新卒に、中学時代のクラスメイトがいた。



閉ざされた記憶があり

1/18/2024, 4:10:48 PM