冬山210

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11/29/2024, 8:54:18 PM

『冬のはじまり』

冬の初めの体温を
君と分けれたら良いなって
まだ白くならない息は
人混みに紛れて消えた

季節なんて君を止める
理由になんてならなくて
またいつもと同じように
スカート履いて脚を冷やすんだろう

裸足で海まで駆けてって
砂浜に足を取られて
ひりりと焼けた柔肌を
海水に浸して傷を増やすの
そのまま沈んで息を手放すの

消えたくない消えたくないって
頭が喚いてる 煩いな
死にたくない死にたくないって
喉が苦しいの 息ができないの
でも まぁ 慣れたもんだな


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以前趣味で作詞したもの。
お題を見て連想せざるを得なかったので供養。
詞もメロディーも私しか知らない、
世界で私だけが歌える私による歌ですが、
これを読んだあなたは詞だけは知ることができた。
でも残念ながらメロディーはずっと私だけのものです。

11/12/2024, 3:57:45 PM

『スリル』

ハラハラする!ドキドキする!
心臓がドクドクと波打つ
スリルは生で生こそがスリルだ
予測不可能な人生を楽しもうじゃないか!

……何?
恐怖も緊張も嫌?
そんなものでは楽しめない?
自分はただ穏やかに生きていたいだけだ?

つまらないことを言うねぇ!
スリルのない人生なんぞ歩む価値もない
その臓器をお飾りのままにしておくつもりかい?

君のそれが波打つ時、
その血は全身を巡って君を君たらしめる
寿命が縮みそうなくらいの負荷を与えよう!
バクバクとする鼓動に耳を澄まそう!
それこそが今、君がここにいる証だ!
君がまだ、ここにいてくれている証だ

最高のスリルを楽しもう
予測不可能な人生を共に歩もう
そうしてどうか君の音を
少しでも長く僕の耳に。


 あんなスリルはもう二度と味わいたくはないんだよ

11/7/2024, 5:05:14 PM

『あなたとわたし』

川の彼方に行きたくて私、
渡し守の貴方にコインをあげたの。
でも通貨が違ったみたい。
だから今度はお歌を歌ったの。
でも言語が違ったみたい。

お金も力も素敵な贈り物も持っていない。
それでも私、この川の彼方に行きたいの。
訴えたって渡し守の貴方、私のことを見向きもしない。
すっからかんの船を渡し、彼方からまた帰ってくる。
貴方は一体、何処に何を運んでいるの?

200年彷徨うのだって私、別にやぶさかではないわ。
だって貴方永遠だし。貴女だって永遠だし。

ねぇ、渡し守の貴方。
いつか私をこの川の彼方へ連れて行って、
彼方の貴女へ私を渡してね。


___________________________________________________
〈貴女と私〉
〈彼方と渡し〉
〈貴方永遠だし〉

10/29/2024, 3:24:43 AM

『暗がりの中で』

膝を抱えてうずくまる貴方に灯りをあげましょう。
この蝋に火を灯せばきっと、
貴方を害するすべてのものから守ってくれる。
そんなおまじないみたいな灯りを貴方に。

軈て蝋は溶け、火は消え、灯りは失われるでしょう。
そうしたらまた灯りを届けにきます。
だから貴方は何も心配しないでいてね。

10/26/2024, 6:47:16 PM

『愛言葉』

例えお前が生ゴミになったとしても愛してるよ。

嗅覚までは誤魔化せないから、
「くっせぇ」って言っちゃうかも知んないけど。
別にそれが悪いって意味じゃないから。

鼻つまみたくなるくらい臭くても、
目背けたくなるくらいグロくても、
それがお前であるなら俺は愛せるから。
吐瀉物だろうが痰だろうが愛するから。

お前が五十過ぎた頭皮の薄いオヤジになろうが、
体臭がきつくて脂でギトギトのオヤジになろうが、
それがお前ならそれで良いんだ。
どんな世界線でだって俺はお前が好きなんだ。

中指立てて人を虐めるような悪人でも、
快楽のために人の命を奪うような犯罪者でも、
弱者ばかりを狙う救いようのない人間だとしても、
それでもお前を愛してるよ。

否定はするし反対もするし、
時にはぶん殴ることもあるかも知んない。
でも絶対に嫌いにはならないよ。
絶対に一人にはさせないよ。

だからどうか、俺のことを嫌わないでいてね。

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