冬山210

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7/26/2024, 4:55:52 AM

『鳥かご』

鳥かごの中から飛び出した鳥が、
いつかここに帰ってくるのではないかと思い、
せっせと水と餌の交換をしている彼女を
鳥かごの中に閉じ込めてしまいたいと思うのだ。

7/5/2024, 5:32:56 PM

『星空』

あんなに愛した星々から、
「見たくもない」と目を逸らした
あの日をきっと僕は忘れない。

 それは冬の日のことでした。
 十八の私は、進路だなんだと
 見たくもない現実ばかりを見せられいて、
 大変疲弊しておりました。
 学校帰り、駅から出た私はふと空を見上げ、
 確かにその両目に星空を映したのです。

 そこにはいつもの通り、
 眩しく輝く星々がおりました。
 普段なら「もっとよく見たい」と
 瞳孔を開かせていたところです。
 けれどその時、私の身体は初めて
 星々に対して拒否反応を示しました。

 「見たくない」

 咄嗟に顔を背けました。
 地面を見ながら歩きました。
 そんな自分が惨めでなりませんでした。

星々の輝きが眩しくてたまらなかったあの日。
とてもじゃないが見ていられなかったあの日。
あんなに愛した星たちから、
目を逸らしてしまったあの日。

あの日をきっと僕は忘れない。
そうして今日も星空を眺める。

7/4/2024, 10:55:56 AM

『神様だけが知っている』

例えば自分がいつ死ぬのかとか、
何故この人に出会ったのかとか、
この世に生まれてきた理由とか。

そういうことを知っている者が神なのだとしたら、
私は間違いなく彼らにとっての神なのだ。

しかし、私というのはただの人間で。
この身を組織するものは、
彼らの身を組織するものと大きく異なるわけではない。
それどころか、
私と彼らを同じ次元に置いて見れば、
彼らの方がよっぽど優れた存在なのだ。

とても、申し訳なく思う。

もっと立派な人が貴方たちの神だったなら、
今よりも幸せになれていたかもしれない。
でも残念なことに、貴方たちを生み出したのは僕だ。
自分より劣る者に自分を決められるのは苦痛だろう。
ごめんね。



とはいえ、
このようにして私が彼らのことを考えるということも、
神様だけは知っている筈なのだ。

非常にこの世はマトリョーシカで、
本当の頂点なんて何処にあるのか分からない。
最高神様からすれば、
全てはアスラナスより小さなことなのでしょうね。

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アスラナス……高校生の頃の僕が考えた、
       今よりずっと未来で見つかる、
       ミジンコよりも小さな微生物。

7/4/2024, 4:58:57 AM

『この道の先に』

この道の先に何が待っているかは分からない。
分からない?そうだろうか?

この道の先に待つのは死だ!終焉だ!
決して平等には命を与えられなかった僕たちが、
唯一平等に与えられている終わりだ!

今が楽しくても苦しくても、
いつか必ず終わりの日は来る。
永遠なんて存在しないし、
どんなに化け物みたいだとしても私たちは人間だから。

だからあまり死に急ぐなよ。
待ってても必ず迎えに来てくれるから。
今はただ、安心して今を味わおう。

5/17/2024, 3:05:32 AM

『愛があれば何でもできる?』

どんなに愛があったって、
あなたの気持ちを変えることはできないし、
あなたの未来を変えることもできない。
決して神様には逆らえないのだから。

それでも愛さえあれば、
もしものあなたを想うことはできる。
現実はどうしても変えられない事実だけれど、
私たちは常に現実を生きているわけではない。

夢を見ましょう。
想像しましょう。
妄想しましょう。
私たちはいつだってそれが得意だった。

現実を改変して記憶すれば、
改変された現実こそが真実となるでしょう。

そうやって生きていくしかないのです。
受け入れ難い現実で生きていくためには。

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