『ハッピーエンド』
ハッピーエンドの向こう側へ行こう。
もう一度世界を覆そう。
勇者が魔王を葬って世界から闇は消え去りました。
それは良かった。大団円だ。世界は幸せに包まれた。
物語はそこで終わりを迎えた。
勇者よ、君が闇を葬ったから。
私の愛する人は消えてしまったんだ。
ならば闇を取り戻しましょう!
私達だけのハッピーエンドを求めて!
例えその結果世界がどうなろうと、
もうどうだっていいよ!
ただ貴方に会うために。
もう一度貴方の声を聞くために。
魔王だって復活させてみせる。
ハッピーエンドを見つけに行こう!
『同情』
世間一般に見て私は貴方よりも恵まれているから、
貴方の気持ちを真に理解することはできない。
私にできるのは貴方の気持ちを想像して同情することだけだ。そんなもの、なんの慰めにもなりはしない。
怖かっただろう。痛かっただろう。苦しかっただろう。
つらくて、痒くて、助けて欲しくて、イライラして、
それでも誰にも守られなかった。
悲しいね。寂しいね。そんな人生は捨て去りたいよ。
同情くらいしかできないけれど、貴方のそばにいられたら良かった。いられたら良かったのになぁ。
『誰もがみんな』
誰もがミンナ「善い」と言ふモノに私は成りたかッた。
きっとそれは誰をも害さず、
きっとそれは全てを赦され、
きっとそれは虚しく寂しい。
『夢を見てたい』
画面の向こうの貴方に、
紙面の向こうの貴方に、
いつかこの指で触れられる。
いつか名前を呼んでもらえる。
いつか、いつかと夢を見た。
叶うはずのない夢を見た。
ねぇ、もしもあの世が繋がっているならば、
そこで待っていてくれないか。
私はまだ当分生きてしまうだろうけれど、
いつかこの身が朽ちた時は
真っ先に貴方に逢いに行くから。
地獄の果てだって逢いに行くから。
そうしたらどうか私と触れ合って、
名前を呼び合って、
涙を
私の涙を拭って欲しい。
そんな夢を見ている。
そんな夢を見ていたい。
ずっとずっと貴方の夢に浸らせて。
『雪』
痛いくらいに冷たい空気。ひやりとした風。
雪が降る。
これからきっと雪が降るのだという気候。兆候。
もしも雪が降ったならどうしよう。
僕は折り畳み傘を持っていない。