冬山210

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『あの日の景色』

屋上にマットレスを敷いて寝そべって、
見上げたあの日の夜空。

多分あれが夏の大三角だと、
一際明るい三つの星を指差した。
ベガとデネブとアルタイルの見分けはつかない。

この真ん中にいるのだというこぎつねを探して、
不確かな星を結ぼうとした。
長袖のジャージは肌寒かった。
隣にはいつも君がいた。

7/9/2025, 9:59:13 AM