冬山210

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『あなたとわたし』

川の彼方に行きたくて私、
渡し守の貴方にコインをあげたの。
でも通貨が違ったみたい。
だから今度はお歌を歌ったの。
でも言語が違ったみたい。

お金も力も素敵な贈り物も持っていない。
それでも私、この川の彼方に行きたいの。
訴えたって渡し守の貴方、私のことを見向きもしない。
すっからかんの船を渡し、彼方からまた帰ってくる。
貴方は一体、何処に何を運んでいるの?

200年彷徨うのだって私、別にやぶさかではないわ。
だって貴方永遠だし。貴女だって永遠だし。

ねぇ、渡し守の貴方。
いつか私をこの川の彼方へ連れて行って、
彼方の貴女へ私を渡してね。


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〈貴女と私〉
〈彼方と渡し〉
〈貴方永遠だし〉

11/7/2024, 5:05:14 PM