冬山210

Open App
1/6/2023, 9:56:47 PM

『君と一緒に』

はじまりは小学五年生の時。
同じクラスになった君は友達の友達だったから、
一緒に遊ぶようになったんだ。

小学六年生の時。
私は君から「同じクラスだ」と知らされた。
友達の友達だった私達は、とっくに友達になっていて。
お互い慣れない人と話すのは苦手だったから、
いつだって一緒にいたんだ。


中学一年生の時。
君と同じクラスになれた。
他にも仲の良い友達が数名いたため、このクラス分けはある程度仕組まれたものだったのだと思う。
私は君と一緒にいた。

中学二年生の時。
君と同じクラスになれた。
他の友達とは別のクラスになってしまったため、
いっそう君と二人でいるようになった。

中学三年生の時。
君と同じクラスになれた。
最早ここまで来ると、学校側から
「この二人は一緒のクラスじゃないと駄目だ」
と思われていたのではないだろうか。
他の友達も同じクラスだったが、
それでも君と一緒にいることに変わりはなかった。


高校一年生の時。
君と同じクラスになれた。
他の友達や同じ中学だった人達も一緒だったため、
これも多少はそうなるように仕組まれていたのだろう。
当然私は君と一緒にいた。

高校二年生の時。
君と同じクラスになれなかった。
他の友達ともクラスが離れてしまった。
六年間君と一緒にいた僕には友達の作り方なんて分からなかったから、一人でいることを選んだ。
君とは登下校を共にしていたし部活も同じだったけど、
私が君と一緒にいる時間は明らかに減った。

高校三年生の時。
君と同じクラスになれた。
一緒に登校して、一緒の教室へ行き、
授業が始まるまでの時間を一緒に過ごし、
一緒に昼食をとり、一緒に部活へ行き、一緒に帰った。
私は君とずっと一緒にいた。


大学生。
君と違う大学へ通っている。
友達の作り方を知らない私に大学で友達はできない。
私も君も他の友達も地元から出てはいないため、
一緒に遊ぶことは割と頻繁にある。
とはいえ、君と一緒にいる時間は極端に少なくなった。

きっとこれから先、社会人になったら、
一緒にいる時間は更に減っていくのだろう。



私にとって君は友達で、客観的に見れば親友で、
けどそれよりもずっと深い。
家族の次に気を許せる相手。
普通の友達とは違う特別な存在。

この先もずっと私は君と一緒にいたいんだ。
なんて、依存していて重いよな。

12/19/2022, 7:27:57 AM

『冬は一緒に』

冬は一緒にいてください。
春も夏も秋も我慢するから、冬くらいは一緒に。
だって寒いでしょう?
ひとりぼっちでは凍えて死んでしまうでしょう?
だから隣にいてください。
一緒に冬を乗り越えようよ。

雪だるまを作りましょう。君にそっくりな。
そしたら寂しくないかしら。
でも残念、雪なんて降らないの。
こんなにも寒いのにね。

春になったら暖かくなるだろうか。
冷たくなって動かないあなたも春の温度に溶かされる?
そうだといいな。そうだとな。

12/1/2022, 10:52:19 AM

『距離』

距離がある。
距離があるな。
君と私には距離がある。
隣にいるのにいつだって君は僕より先にいるようだ。

事実距離がある。
君は僕より早く大人になるし、
僕がいなくても平気らしい。
僕だってまぁ、君がいなくても死にはしないけど。

距離がある。
埋まらない距離が埋まらない。
埋めたいわけでもないけれど、一人ぼっちは嫌だから。
君に隣にいて欲しいんだ。
あんまり遠くへ行かないで。

私がここにいる内に君は先へ行ってしまう。
停滞していたいのに。変わらない方が楽なのに。
子どものままが幸せなのに。それは私だけなんだ。

一緒に居てはくれないの。
距離は広がるばかりなの。
仕方がないから私は自分で自分を慰める。

置いていかれることよりも、
変わることの方が苦痛だから。

11/29/2022, 8:01:09 AM

『終わらせないで』


「中途半端に終わらせないで。
 作るならちゃんと最後まで作って。

 あんたが勝手に産み出したんだから、
 責任持って墓に入るまでを描いてよ。

 誰も俺のことは知らないんだ。
 俺たちのことはさ。

 あんたしか知らないんだよ。
 これからの俺のことも、これまでの俺のことも、
 知っているのはあんただけなんだ。
 決められるのはあんただけなんだ。
 俺ですらないんだよ。

 あんたにしか続けさせられないし、
 あんたにしか終わらせられないんだ。
 あんたが終われば俺たちも終わるんだ。
 あんたの命はあんただけのものじゃないんだよ。
 それが俺たちの命なんだよ。

 だから終わらせないで。
 終わらせるなよ。
 あんたが生きてる限り俺たちは、
 停滞してたって生きてるんだから。

 あんたは俺の死を決めてるらしいけど、
 描かれない限り実行はされてないから。
 それにあんたは俺の来世を決めてるし。
 どんだけ俺のこと好きなの。気持ち悪い」

___________________________________________________
気持ち悪いだって。言われちゃった。
また無理やり引っ張り出して口開かせたから。
いつもこんな役割ばかりだね。ごめんね。

11/22/2022, 7:47:32 AM

『どうすればいいの?』

人に聞く前に自分で考えろよな。
考えもしないで聞くなよな。

お前がどうすればいいのかなんて、
他人にゃ全く分かんねぇし、関係のないことなんだ。

どうしたっていいんだよ。
お前の自由にしろよ。



責任を持ちたくないんだよな。
自分の言動で間違いが起こった場合、
それを他者のせいにできた方がずっと楽だから。

「お前がこうしろって言ったから…」
だから、俺は悪くないんだって。
そう言えるようにしているんだろう。
いつでも逃げれるようにしているんだ。卑怯者め。



どうすればいいのかなんて、みんな分かんないんだよ。
答えを求めても出てこないよ。
それでもどうにかしなきゃいけないから、
どうにかこうにかして乗り切ってんだよ。

乗り切れてるのかなぁ。

Next