冬山210

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『君と一緒に』

はじまりは小学五年生の時。
同じクラスになった君は友達の友達だったから、
一緒に遊ぶようになったんだ。

小学六年生の時。
私は君から「同じクラスだ」と知らされた。
友達の友達だった私達は、とっくに友達になっていて。
お互い慣れない人と話すのは苦手だったから、
いつだって一緒にいたんだ。


中学一年生の時。
君と同じクラスになれた。
他にも仲の良い友達が数名いたため、このクラス分けはある程度仕組まれたものだったのだと思う。
私は君と一緒にいた。

中学二年生の時。
君と同じクラスになれた。
他の友達とは別のクラスになってしまったため、
いっそう君と二人でいるようになった。

中学三年生の時。
君と同じクラスになれた。
最早ここまで来ると、学校側から
「この二人は一緒のクラスじゃないと駄目だ」
と思われていたのではないだろうか。
他の友達も同じクラスだったが、
それでも君と一緒にいることに変わりはなかった。


高校一年生の時。
君と同じクラスになれた。
他の友達や同じ中学だった人達も一緒だったため、
これも多少はそうなるように仕組まれていたのだろう。
当然私は君と一緒にいた。

高校二年生の時。
君と同じクラスになれなかった。
他の友達ともクラスが離れてしまった。
六年間君と一緒にいた僕には友達の作り方なんて分からなかったから、一人でいることを選んだ。
君とは登下校を共にしていたし部活も同じだったけど、
私が君と一緒にいる時間は明らかに減った。

高校三年生の時。
君と同じクラスになれた。
一緒に登校して、一緒の教室へ行き、
授業が始まるまでの時間を一緒に過ごし、
一緒に昼食をとり、一緒に部活へ行き、一緒に帰った。
私は君とずっと一緒にいた。


大学生。
君と違う大学へ通っている。
友達の作り方を知らない私に大学で友達はできない。
私も君も他の友達も地元から出てはいないため、
一緒に遊ぶことは割と頻繁にある。
とはいえ、君と一緒にいる時間は極端に少なくなった。

きっとこれから先、社会人になったら、
一緒にいる時間は更に減っていくのだろう。



私にとって君は友達で、客観的に見れば親友で、
けどそれよりもずっと深い。
家族の次に気を許せる相手。
普通の友達とは違う特別な存在。

この先もずっと私は君と一緒にいたいんだ。
なんて、依存していて重いよな。

1/6/2023, 9:56:47 PM