8/8/2024, 1:59:14 PM
私の目に映るもの
私に手に触れるもの
私の耳に流れてくるもの
全て綺麗なものだけが渡される
私は唯一無二の宝物のとして囲われていた
だから今
私の目の前に立っているものは
私の世界にはあるまじき存在だった
燻んだ金糸に
褪せた服
鈍い色をした装飾品
私に差し出された手は荒れていて
発する言葉は気怠気な空気を纏っていた
「お嬢さん、俺と一緒に来てくんない?」
私の綺麗な世界にそぐわない存在なのに
覗き込んできた瞳はどこまでも蒼く美しく透き通っていて
その瞳に惹き込まれるように
私は気づいたら彼の手を取ってしまっていた
そして私の世界は綺麗なものと
知らないもので溢れた世界になった
【蝶よ花よ】8/8
8/7/2024, 12:13:56 PM
ぽつんぽつん
何かが落ちる音がする
だいぶん大きな水たまりになったそこに
心地の良いテンポで
波紋を広げながら
落ちていく
あの時あの手を取っていなかったら
今もまだ何も知らない夢見る少女でいられただろうか
ぽつんぽつん
溢れ落ちる命の音に身を任せて
私は静かに瞳を閉じた
【最初から決まってた/魔法少女】8/7
8/7/2024, 9:08:57 AM
目を背けてしまうほどの
眩しい笑顔は
まるで太陽のきらめき
とびきり暑い夏に負けない
とびきり暑い恋が
始まった
【太陽】8月7日
8/5/2024, 10:22:29 AM
あなたには祝福の
私には訣別の
その鐘の音は高らかと響いた
【鐘の音】8月5日
8/4/2024, 1:30:05 PM
石ころのような想いも
燻んだガラスのような夢も
澱みの底にある言葉も
埃まみれの愛も
君が隣にいるだけで
全てが宝物のように輝いて見えたんだ
【つまらないことでも】8月4日