君に会いたい。
他の誰よりも、君に会いたいんだ。
出会いは最悪だった。
わたしのことは睨んでくるし、変なこと言ってくるし。あの頃の君は本当に何がしたいのか、何がしたかったのか、わからなかった。
でも、君のことをもっと知りたいと思った。
だから、君を追い続けた。
どこに行っても、君を追い続けた。
わたしはただ、君のことを追い続けたかった。
行方知らずの今。
君はどこにいるの?
君の声を聞きたい。
君の姿を見ていたい。
君を感じたい―。
君に会いたいよ……
わたしは「綺麗」よりも「美しい」の方が好き。
どちらも似たような言葉、似たような意味。
でも、わたしは感覚的に「美しい」のほうが好きなの。
「綺麗」という言葉もとても良い言葉だけれど、なんだかちょっぴり怖いの。いつしか、真っ黒な言葉になってしまう気がするんだ。
どうして納得がいかないんだ。
どうして上手く歌えないんだ。
どうして何もできないんだ。
わからない。わからない。
わたしは迷宮入りしてるのか。
「いつも」とは違う感覚。
怖い。怖い。
なぜ?なんで?どうして?
いつの間に何もできない自分に成り下がってしまったんだ……?
夢を見た。
君と離れていく夢。
鮮明に覚えているわけではないけれど、夢の中で君が離れていく感覚がした。その感覚を覚えてしまった。
君が離れていくと、夢を思い出して怖くなる。足がすくむ。心がざわざわする。
最初は最悪な出会いだった。私のことは睨んでくるし、変なこと言うし……。
でもわたしは君のことが気になって仕方なかった。面白い。興味がある。そう思った。
君を追い続けた。君がどんなとこに行こうと。君が行方くらましたときは必死になって探した。
気がつけば、君と一緒にいる未来を私の心は望んでいた。
またいなくなるのは、わたしの知らないとこで死んでしまうのは嫌だ。
わたしと約束したことがあるじゃないか。またいなくなったり、どこかで死んでもらっては困る…!
そんなことを思っていた矢先に、君が離れていく夢を見てしまった。
怖い……怖い……。
わたしと約束して。いなくならないって。永遠にわたしといるって……。
わたしはこの思いを君に伝えてない。
そんな不安が、思いが伝わったのか、君の腕がわたしを包んだ。わたしの顔は君の胸にすっぽりおさまる。
「大丈夫。俺はそばにいる。」
静かに優しく言った。
願わくは永遠にずっとこのまま―。
あなたにとって幸せとはなんですか?
そもそも、幸せを感じる瞬間はどんな瞬間ですか?
わたしにとっての幸せは……日常かな…。
毎日同じルーティンをしているだけだけど、結局それが幸せな気がする。
こんなことを思うまでは幸せを探していた。
きっと「幸せだ!」と思う瞬間が欲しかったのだと思う。
でもそんな幸せは大きいもので、簡単に得られるものではない。
その事に気づいた瞬間、なんて虚しいんだと思った。
そのときに決めた。もう幸せを探すのはやめると。
それから今までなんとなく過ごしてきた。
いつもの日常を過ごすうちに気づいたのだ。
わたしの幸せはこの日常を過ごせることなのだと。
このかけがえのない日常が幸せなのだと。