言の葉 音の羽

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夢を見た。
君と離れていく夢。
鮮明に覚えているわけではないけれど、夢の中で君が離れていく感覚がした。その感覚を覚えてしまった。
君が離れていくと、夢を思い出して怖くなる。足がすくむ。心がざわざわする。

最初は最悪な出会いだった。私のことは睨んでくるし、変なこと言うし……。
でもわたしは君のことが気になって仕方なかった。面白い。興味がある。そう思った。
君を追い続けた。君がどんなとこに行こうと。君が行方くらましたときは必死になって探した。
気がつけば、君と一緒にいる未来を私の心は望んでいた。
またいなくなるのは、わたしの知らないとこで死んでしまうのは嫌だ。
わたしと約束したことがあるじゃないか。またいなくなったり、どこかで死んでもらっては困る…!

そんなことを思っていた矢先に、君が離れていく夢を見てしまった。
怖い……怖い……。
わたしと約束して。いなくならないって。永遠にわたしといるって……。
わたしはこの思いを君に伝えてない。

そんな不安が、思いが伝わったのか、君の腕がわたしを包んだ。わたしの顔は君の胸にすっぽりおさまる。
「大丈夫。俺はそばにいる。」
静かに優しく言った。

願わくは永遠にずっとこのまま―。

1/12/2024, 10:20:13 AM