「早く帰ってきてくれよ。」
………………
私が悪いのはわかってる。
あんなことしたからこうなったんだ。
『あの人』が怖いのも仕方がないこと。
だけど…………………………怖いよ
怖いものは怖い。
また諭される。
怒鳴られる。
否定される。
『あの声』を聞くだけで全てが嫌になる。
けど、私が悪いのに変わりはない。
そうだよね、本当にごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
もうしないから。
次からちゃんと気をつけるから。
私が全部悪いの。わかってるよ。
そう。こうなったのも、今までのことも、全部私が悪いんだよ。わかってるから。
だからもうこれ以上何も言わないで!!!!
あれは………
おっきな寿司……?
〜窓越しに見えるのは
あなたと私は繋がってると思ってた。勝手に。
バカでごめんね。
あなたの気持ちを考えられなくてごめんね。
自己中でごめんね。
こんな私と付き合ってくれてありがとう。
察してもらおうとしてごめんね。
優しく出来なくてごめんね。
私はあなたの運命の人なんかじゃない。
あなたは私なんかの運命の人じゃない。
リッパー……あるから。
ごはんがある。
さて、食べるか、食べないか。
自転車の鍵がある。
さて、自転車で出かけるか、歩きで出かけるか。
ちょっとした選択で、私たちの世界は少しずつ、
だけど確実に変わっている。
ごはんを食べたとしよう。
そしたら、今日一日は元気に過ごせた。
歩きで出かけたとしよう。
そしたら、いつもはなかなか見ないあの人を見かけた。
これを繰り返していたら……
いつか、こことは全く違う世界にたどり着いても
おかしくないのかもしれない。
君はもうほんとうにボロボロだった。
正直、私も見たくなかったのよ。
いつもの笑顔で迎えてくれる君で、
上書きしたままにしておきたかった。
だけど会いたかったから.........
視界に入ったのは、
くしゃくしゃの笑顔が貼り付けられた君だった。
あんなに赤く染まるものなのね。
君も「もう会いにこないでくれ」なんて不器用なこと言っちゃって。
馬鹿。
誰に言ってると思ってるのよ。
ーーこの後、君の母親から全てを聞いたわ。
もう自分は治らないから、硝ちゃんにはこんな姿見せたくなかったんだって。
だけど、
会えて良かったって。
最期に話せて本当に嬉しかったんだって。
君のせいで本当に辛かった。
...なんて、1度たりとも言うつもりはない。
君が1番頑張っていたから。でしょ?
今日も寂れた家で、赤い彼岸花を一輪。