Mikasa

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12/14/2024, 12:30:08 PM

どうして言えなかったかな。

あなたとは家族同然の仲だなんて思ってたから?
仲が良すぎて逆に、みたいな?


いや、そうじゃない。
はっきりとした理由が1つある。
けど言いたくない。
言葉にして、カタチにするのがたまらなく嫌だ。



そんなことを考えながら、
部屋の窓からイルミネーションを見る。

さっきこぼしたホットチョコレートが
スウェットのズボンに染みてかなり冷たい。

「あ~、本来なら今こんなとこにいなかったのにな。」

誰もいない部屋に向かって恨み言を連ねてしまう。
世間から仲間はずれにされた気分だ。


私はインスタのストーリーを見ないように、早く寝た。

12/5/2024, 3:15:57 AM

今日は、憧れの先輩と買い物に行く日だ。


新宿駅で、私は時計を何度も見返す。
ーーうん、大丈夫。集合20分前!

先輩みたいな人を見つけるたびに心臓が弾けそうになりながら、私は駅をぶらついていた。


集合時間になる。
と、LINEの通知が来た。

恐る恐るLINEを開いてみると、先輩からだった!


「今日、どうして部活来なかったの?大丈夫?」


え…?
慌ててカレンダーを確認する。

12月5日………… お買い物、明日じゃん。





ーーーーーーーーー






…!!


私はここで飛び起きた。
何が起きているのか分からず、自分が今どこにいるのかも分からない。

どこからか、小さい子供が走ってくる。

「おかあさんおはよう!」

そのすぐ後ろに、夢で見た顔があった。

「ようやく起きた!おはよう、お昼に出発だよ」


私は現状を把握し、改めてカレンダーを確認した。

12月6日。


今日は、旦那と娘と買い物に行く日だ。

11/30/2024, 10:08:54 AM

「なんで、泣いてるの?

………そっか。
好きな人、もう空いてなかったか。」


うん。
私、もう生きていく理由ないや。

あの人のために綺麗になった。
あの人のために明るくなった。
あの人のために学校に通った。
あの人のために可愛くなった。
あの人のために………



「『あの人のために』今まで
一生懸命頑張ってきたんだね。」


うん。
これから、誰のために生きていけばいいの?




「その『あの人』さ、俺になってもいいですか?」

11/28/2024, 12:08:03 PM

ああ、刹那。



普段何気なく通っている改札が、
今はこんなにも離れがたい。

人がたくさんいるから。
あなたはすぐに掻き消えてしまう、きっと。

だからすぐに伝えたい。
胸の内の儚くかき消えそうな、
だけど一生忘れることのないこの気持ちを、ぎゅっと。



そう思ってあなたの肩に手を触れてみる。

次の瞬間、私は切符を買えばよかったと後悔した。

7/13/2023, 6:22:47 AM

むかしむかし、ある女がいたそうな。


女にはかけがえのない友がいて、名をさえりといった。




だがある日、その友が不治の病になってしまった。


「あなたがいない世界は怖い。認めたくないわ。さえり。さえり。」

女はその友の名前を呼んで、この世に引き止め続けた。


が、その友はふと笑みを浮かべたそうな。


その友いわく、

「ねえ。おかしいと思わない?

人はみんな、死という家に帰るのは周知の事実なのに、

皆帰りたがらない。だから、寂しいおっかあが私を迎え

に来てくれた。それだけなのよ。」



女は気づいた。そうだ。私もいつか死ぬ。


これまでずっと……「死」というのが

自分が消え去ってしまうことだと思っていた女は、

その友のおかげで「家」を思い出すことが出来たのであ
る。




「ありがとう、さえり。もう怖くない。」

……



「私はもう少し寄り道していくから……貴女のために。」


家出少女は、友は本当はもう少し遊んでいたかったというのを忘れなかった。

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