君はもうほんとうにボロボロだった。
正直、私も見たくなかったのよ。
いつもの笑顔で迎えてくれる君で、
上書きしたままにしておきたかった。
だけど会いたかったから.........
視界に入ったのは、
くしゃくしゃの笑顔が貼り付けられた君だった。
あんなに赤く染まるものなのね。
君も「もう会いにこないでくれ」なんて不器用なこと言っちゃって。
馬鹿。
誰に言ってると思ってるのよ。
ーーこの後、君の母親から全てを聞いたわ。
もう自分は治らないから、硝ちゃんにはこんな姿見せたくなかったんだって。
だけど、
会えて良かったって。
最期に話せて本当に嬉しかったんだって。
君のせいで本当に辛かった。
...なんて、1度たりとも言うつもりはない。
君が1番頑張っていたから。でしょ?
今日も寂れた家で、赤い彼岸花を一輪。
6/27/2023, 8:41:03 AM