またね
きみはそういってぼくから離れていく
必死にその手を掴もうと伸ばしてみたけれど届かなくて…
まただ…
また同じ夢 気づくと泣いている
きみは誰だ? とても大切な人のような気がするけど思い出せなくて でも昔から知っているような気がする
長い髪がサラッと揺れるさまをぼくはただボーっと見つめてしまう
その手を引き止めなきゃ 届かなくてもどかしい
うっすら差し込む朝日の光に 勢いよくカーテンを開けて バンザイするようにしてめいいっぱい吸い込む
おはよう
涙が飛んでって
その滴は土に落ちた
最後の一滴を必要としていた彼は芽を出した
頬はすっきりとし 気持ちいい風がなでる
秋の爽やかな風だ
悲しくて寂しくて出た涙も命を育んでいたことを彼女は知らない
これは広い空の下の秘密の物語。
日常の中で小さな幸せを見つけて、幸せ集めをしている。
写真に撮ってそれがフォルダいっぱいになったら幸せばかりでにまにましてしまう。
この前見つけた、地面に小さな虹があって
その下にコンクリートに隠れたハートの石
ぶれないように、全身集中して大切に撮った写真が最近のお気に入り。
でも本当はきみと見たあの日の虹が一番のお気に入りなんだ。
きみと散歩していたら大きな虹がかかっていて、
本当に綺麗で、あの色合いを写したいのに
目に映る色とカメラに映る色はちがくて
悔しかったけど
本を開くと、パラパラパラパラってページが捲れて色んな思い出が次々と思い出されるように
あの写真は特別なものなの。
元気でいますか?
今でも、大切な、わたしに色々な宝物をくれたきみへ。
優しい嘘
あなたが見せた、優しい嘘は あの嘘は泣けるくらい優しくて
あの日会えるって言ったこと、
それはうそじゃなくて本当だったんだ。
5年前の私は知らなかったけど、
今日の私はそれが本当だって知ってて。
まさかまたあなたに会えるなんて。
こんな奇跡一生忘れないよ。
あの日、あなたに出会ったこと、
そこからわたしの幸せは始まっていて、
毎日が急に鮮やかになって
写真をきっかけに楽しかった出来事を思い出す。
あれはわたしの宝物で、
心のなかにそっとしまっておくよ。
またいつか、思い出せるように
そっとカギをかけて。
手袋
手袋はいらない
あのひとのコートのポケットの中で
手をつなげるように
わざと忘れるの
あのひとの暖かい手をいつも感じられるように
そう思うとこの寒い冬も捨てたんもんじゃないな