誰よりもずっとわたしがすきだった
きみのことを
そう感じたのはあの春
キミが桜の下に立ち花たちを見上げていた頃
わたしはきみに恋をした
背が高くてすらっとした腕をうえに掲げて
頬で見ながら春を楽しんでいたキミ
私の姿に気づいてこちらにやってきたあのときはとてもドキドキして心臓が口から出そうだった
右手を差し出してはじめましてと握手を求めるキミ
温かな手の温もりと、おだやかな笑顔に私はもう君に釘付けだったんだ
きみはわたしの元から去ってしまったけど、元気にしていますか?
今年も桜の季節が来ました。
キミはまた、眩しい陽の光を手で遮りながら微笑んでいるのかな
キミが元気なことを祈ります。
またどこかで。
ないものねだりの人生だ。
私にないもの、それは苦労しないと手に入れない辿り着けない場所にある。
わたしの体が軽くなって風のように走って行けて
いらないものを全部捨てて
全速力を出せたら…
手が届くだろうか
みんなと同じものを手に入れるために、
自信を手に入れるために、
我慢して、我慢して、みんなと「同じ」ようになれるように、私の中の大切な何かがプチっとつぶれて、壊れてしまわないよう、
大切に私を育てよう、
自信なんかなくても
わたしがわたしであれたら。
ただ生きれたら。
私はそれでいい。
私には3つ下の弟がいる。
5歳の当時、わたしの手を掴んで後ろを歩く2歳の彼はとてもかわいかった
「おばけ…いる…?」
トイレに行くときいつも聞いてくる。
「いないよ、そんなのいるわけない」
わたしはいつもそう答える。
でもその晩はいつもとすこし違っていた。
床から出る黒い無数の手。
その手に掴まれて、引きずりこまれそうになりながら助けを求めて起きたのだ。
鼓動が大きい。 そんな夢普段みないのに…
ちょんちょん
肩を触る指にビクッ!とした
弟だった
「ねーね、おしっこ」
はぁ…とため息を尽きながら、わたしは弟と手をつなぎ暗くて寒い廊下に出た。
そんな弟も今年で27歳になり、今ではスーツが似合う立派な社会人になった。
「ねーちゃん」と事あるごとにわたしの家を訪れ、電球を変えてくれたり重たいものを率先して持ってくれたり、小さな私のヒーローだ。
毎週金曜日の夜、ホラー映画を見る会を楽しみにしている。わたしのすそを掴み顔を覆いながら見るのだ。 いつまでも私の可愛い弟だ。
きすをすると恋に落ちる
わたしの住んでいる地域ではこんな言い伝えがあった
あの日は空が鈍くひかっていて、分厚い雲の上が光っていたんだ そのぼんやりとした弱い光を見ていたら、小さい何かが降ってきた
ゆっくりゆっくりと くるくる回りながら
何かわからなかったけど近くに来たときに目を凝らしてみたらクリオネに似たものだった
それはわたしの口元まできて触れた
その瞬間その何かは姿を変えて、綺麗な男の子にはって 地面に倒れた
わたしはいそいで頭を支える
美しい顔をして眠っているその人は綺麗な金髪をしていて、星が染まったようなキラキラとした髪をしている
わたしが髪をなでると、わたしの指も光り、美しく輝いた
何とかして彼をかつぎ、家のベッドに寝かせた。
色々あった不思議な日だったな…
目を閉じて眠りについた
暗い影、誰かの息遣い
唇に何かが触れた
ぼんやり何かを見ていると綺麗な男の人の顔が現れた
その唇はひんやりと冷たかった
すれ違った女の人が泣いていた。
仕事帰りにぼーっと歩いてたら突然視界に入ったからギョッとした。
彼女はなにがあったのだろう…
見知らぬ自分が声をかけられるわけでもなく、ただ遠くなっていく小さな背中を見送ることしかできなかった。
彼女が報われるといい。
幸せを小さく祈りながら今日も真っ暗な部屋を目指して歩く。猫でも飼おうかなぁ…