クスノキ

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私には3つ下の弟がいる。




5歳の当時、わたしの手を掴んで後ろを歩く2歳の彼はとてもかわいかった

「おばけ…いる…?」

トイレに行くときいつも聞いてくる。


「いないよ、そんなのいるわけない」

わたしはいつもそう答える。






でもその晩はいつもとすこし違っていた。



床から出る黒い無数の手。

その手に掴まれて、引きずりこまれそうになりながら助けを求めて起きたのだ。

鼓動が大きい。 そんな夢普段みないのに…



ちょんちょん

肩を触る指にビクッ!とした


弟だった


「ねーね、おしっこ」


はぁ…とため息を尽きながら、わたしは弟と手をつなぎ暗くて寒い廊下に出た。


そんな弟も今年で27歳になり、今ではスーツが似合う立派な社会人になった。

「ねーちゃん」と事あるごとにわたしの家を訪れ、電球を変えてくれたり重たいものを率先して持ってくれたり、小さな私のヒーローだ。



毎週金曜日の夜、ホラー映画を見る会を楽しみにしている。わたしのすそを掴み顔を覆いながら見るのだ。 いつまでも私の可愛い弟だ。

3/17/2026, 8:20:52 AM